投稿小説が全て無料で読める書けるPiPi's World

操れるかも! 操られるかも!?
【その他 官能小説】

操れるかも! 操られるかも!?の最初へ 操れるかも! 操られるかも!? 12 操れるかも! 操られるかも!? 14 操れるかも! 操られるかも!?の最後へ

操れるかも! 操られるかも!?-13

第5話 『真夜中の美奈子』


 俺と美奈子は、結局親父と由希子さんがことを終えて喫
茶店をあとにするまでカウンターの中に隠れていた。

 少し時間をおいてからこっそりと二つの家の玄関を抜け
二階にある自分の部屋まで戻ってきたのだが、美奈子も話
があるとか言ってついてきた。
 俺の部屋に入ると俺は机の椅子に座り、美奈子はベッド
に腰かけた。電気のついた明るい部屋の中で見る美奈子の
顔はかなり赤い。たぶん俺の顔も赤くなっていると思う。

「すごかったね〜」
 美奈子はまだ興奮している。それは俺も同じだった。
「……親父がなぜ由希子さんと……」
 つい数日前に亡き妻への愛を語っていたくせにと思いつ
つも由希子さんの乱れる姿が衝撃的で、俺の中では親父へ
の憤りなど二の次になっていた。
「……さあ? でもお姉ちゃんが日本に残って喫茶店を継
ぎたいって言ったのは、おじさんの側にいたかったからだ
と思うのよ」
「え?」
「あの頃っておばさんが亡くなって、おじさんすごく元気
なかったじゃない……お姉ちゃんはおじさんのことずっと
好きだったから……」
「……そうなのか? 俺は全然気づかなかったけど……」
「圭ちゃんはお姉ちゃん苦手だもんね」
「そりゃ……そうだけど」
 俺は美奈子が案外人間関係に機敏なことを知り驚く。
「……ところで圭ちゃん……」
「……なんだ?」
「千佳ちゃんとはどうなの?」
「……おい」
 ……この女、まだ言うか。
「ねぇ教えてよぉ」
「……何にもねえよ」
「そんな嘘は通じません。美奈子さんをなめてもらっては
困ります」
 美奈子は確信をもって言い切る。
「お前が何と言おうと答えは一緒だ」
「……往生際が悪いってやつね。いいわよ、今日は徹夜で
吐かせてやる」
「……お前な……」
「明日の朝練きついわよぉ……それが嫌ならさっさと吐い
ちゃいなさい」
 俺は明朝も家まで迎えに来るであろう大介の姿を想像し
ただけでうんざりしてくる。
「ほらほら」
 立ち上がった美奈子が俺の頭を軽く押さえつけて自白を
強要する。目の前に美奈子の胸が近づく。
 俺はドキリとするとともに、自分が今、願ってもいない
状況に身を置いていることに気づいた。

 ……もしかして……チャンス!?
 
 真夜中に自分の部屋で女の子と二人きり。親父の部屋は
一階だし、今ごろは由希子さんとの逢瀬で体力を使って熟
睡しているだろう。少しぐらいの物音では起きてこないと
思われる。
 俺の頭から流れ出す不埒な妄想が、部活で疲れた体を一
時的に甦らせる。

「……あんまりしつこいと、痛い目にあわせるぞ」
 俺は自分のこれからの行動に一応の体裁を整える。
「……痛い目……って、やらし〜ことだったり?」
 美奈子にいきなり核心を突かれて少し動揺する。しかし
ここで引く気は全然無かった。
 俺は頭に乗せられた美奈子の腕を掴みとると、椅子から
立ち上がり美奈子と目線を合わせる。そして美奈子の目を
見つめながら自分の目に『力』を込める。
「……そうだよ」
 
「え? 今、圭ちゃんの目……」
 美奈子は俺の言葉よりも、一瞬強く光った俺の目に驚い
ている。
「俺の目がどうした?」
「電飾入ってる?」
「入ってねえ!」
「なんかパチンって感じで火花も散った気がしたけど?」
 俺はこれ以上美奈子と喋っていると精神的な疲労が蓄積
しそうな気がしてきた。肉体的疲労が大きい現在の状態で
は精神を疲弊し続けるわけにはいかない。
 早い話がてっとり早くことを進めようと考えた。


操れるかも! 操られるかも!?の最初へ 操れるかも! 操られるかも!? 12 操れるかも! 操られるかも!? 14 操れるかも! 操られるかも!?の最後へ

名前変換フォーム

変換前の名前変換後の名前