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フェイスズフェターズ
【ファンタジー 官能小説】

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フェイスズフェターズ 一話「欲望の都市」1-6

「子供じゃない!」


「子供よ。だって、猊下と話すときすっごい緊張してたじゃない」


 悪戯っぽい表情を浮かべ始めたニコラの言葉に、リタがぐっ、と顔を引きつらせる。


「き、緊張などしていない! まったく余裕で猊下と会話をしていたぞ」


「はいはい。わかりましたわかりました」


 ニヤニヤと笑いながら軽くリタの言葉を流すニコラ。それを見てリタは顔を真っ赤にして噛みつく。


「なんだその態度は! 信じてないな? 私は緊張などしておらん!」


「え〜、でも猊下の前で全然余裕無かったじゃない。『はっ、大丈夫であります』なんて、変な言葉使っちゃって」


 完全にニコラに遊ばれているとも気づかずに、リタはムキになって反論する。掴みかかるように迫ってくるリタを両手で軽くいなしながら、なおもニコラは攻撃を止めない。


「それに、大人なら『そこ』はそんな寂しいボリュームじゃないと思うけどな〜」


 そう言ってニコラは、尼僧服の下にあるであろうリタの小さな胸に視線を向ける。


「貴様、言ってはならんことを言ったな……ちょっとボンキュッボンだからって調子にのって……」


 拳をぎりぎりと握りしめ、瞳に炎を宿らせる少女がそこにはいた。その様を見て、少女の怒りの元凶である尼僧は、両手を自らの胸--尼僧服の上からでもはっきりと自己主張をしている--に置き、怒りに我を忘れる少女を優しく見つめながら真摯な口調で自らの非礼を詫びた。


「ごめんなさいね。恵まれた肉体で」


 その誠実な謝罪に心打たれたのだろうか。少女は、尼僧に抱きつこうとした。。--右拳を堅く握りしめて。


「君が泣くまで、殴るのを止めない!」


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