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フェイスズフェターズ
【ファンタジー 官能小説】

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フェイスズフェターズ 一話「欲望の都市」1-15

「な、何をするお前ら。体なら自分で洗え……あっ……」


 くすぐったいような、しかしくすぐったいだけではない微妙な感覚が、リタの体を蝕む。浴場なので、室内の温度と湿度は高い。それ故か、それとも別の理由もあるのか、女達の巧みな指使いが始まって十分もすると、リタの体は火照り、汗が出始めていた。息づかいも荒くなってくる。その様を楽しげに見つめていた背後の女が、ふと、リタの耳を甘噛みする。


「ふあぁぁ!」


 思わず甘い声を出してしまい、リタは赤面する。


「ふふ、お嬢様ったらびーんかーん」


 客に奉仕をするというよりも、玩具を弄くり回しているときのような表情で、女はリタをからかう。前方の女が反対側の、リタの右耳に顔を近づけ、耳穴に向けてフッと息を優しく吹きかけると、リタはまたもビクっと体を震わせる。女達にとって最高の玩具だ。


「やめろ……これは……違う。私はここにこんなことをしに来たわけでは……んああ!」


 リタが必死に理性をかき集め、努めて冷静にこの状況を打開しようとするが、最後には甘い、少女らしい声を上げて失敗してしまう。今まで決して触れてこなかったリタの乳首を、ふいに背後の女が指で摘んできたのだ。焦らしに焦らされたおかげで、リタの体には一瞬電流が走った。性の知識も経験もない少女には、強く過ぎる快楽である。

 この頃には、鈍いリタでもようやく『個人浴場』の正体に気づいていた。東はどうだか知らないが、西では教皇庁の決議によって娼婦が認められていないのだ。女を売る行為は、何よりも卑しいと、そう考えられている。もちろん、教皇庁がそう決定しても、裏では娼婦達が活動していることくらいは、リタでも知っていた。ただ、娼館、と堂々と言えないから個人浴場として営業していることは全く知らなかった。先ほどニコラから聞いたではないか、『奴隷が主力商品』だと。奴隷は男だけではない。女の奴隷もいるのだ。カラジュスの奴隷は、ニコラによれば傭兵となることが多いのだそうだ。そして、女はこうして娼婦として働くことになるのだろう。


「ん〜、なんかお嬢様、言葉遣いが男っぽいのよねえ。でもそれがイイんだけど。とっても可愛いからサービスしますよ、お嬢様?」


 乳首と耳を舐められ甘噛みされながら、四本の手に体を蹂躙される状態で、リタは返事も出来なかった。ただ体のそこからジンジンと何かが湧き出ていることを感じていた。耳から移動して、うなじを口と舌を使って愛撫されると、背筋にぞくぞくと快感が走る。いや、この状況は駄目だ。このままだと流されてしまう。そう頭で考えても、体で反応することはとてつもなく困難である。


「ひやぁぁ、待って、話を聞いてくれ……ひんっ……」


「ん〜、なんですかお嬢様? もっと激しくしてくれって相談ですか?」


「ち、違っ……」


 前方の女が、リタの内太ももをねっとりとした手つきで撫でる。リタの全身に鳥肌が立つ。それは不快を覚えたためではなく、むしろ逆の感覚から来たものだ。二人の女は、そろそろ頃合いと判断したのだろうか。目配せをすると、前方の女がリタの内股の更に奥、未だ誰にも触らせたことのないクレバスへと手を伸ばしていく。その気配に気づいたリタが、今度こそ本当に慌ててそれを阻止しようとする。


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