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初恋はインパクトとともに
【青春 恋愛小説】

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初恋はインパクトとともに ♯1/ラストサムライガール-3

竜童児という名前は知っていた…
世界最強の武道家一門として世間でも認知されている有名な名だ…
恐らく彼女の父親だと思われる竜童児弦乃助氏は熊を倒したやら、虎を倒したやら、竜の逆鱗に触れたやら…そういった逸話の絶えない人物だ。
竜童児大河さん…恐らく、お兄さんだろうが…この人も数多くの武道大会や総合格闘技競技で旋風を巻き起こしている…この二人にとどまらず竜童児一門は数々の伝説をこの世に作り出しているのだ(どこからが本当でどこからが作り話かは知らないけども)
もちろん彼女も…竜童児晶も例外ではない…
少しまえ、彼女は高校入学前だというのに、7つの競技でオリンピックを目指せるとかなんとかでマスコミを騒がせていたし…
何より彼女自信、数々の武道、武術の類の全国大会で優勝を果たしているのだから…
(しかしホントに存在してたんだな…竜童児家…そして竜童児晶………)
それから3日経った…
が…
僕はその数日…何をやっても上の空だった…
『また会おう』
あの言葉が頭にこびりついて離れないんだ…
(ただの社交事例だったのか?)
そう考えると悲しい…

…数日間ず〜っと、そんな風に上の空な僕を、友人たちは呆れ顔で見つめていた…
何せ、額に肉って書かれても口に中国人な髭を書かれても気付かないのだから…
「おい小僧、そんなに気になるのかね?その竜童児が…」
幼稚園からの腐れ縁であるこの男…にっくきモテ男くん、しかし何故か男女共に大人気な佐藤櫂(さとうかい)は僕の額に肉って書きながら悪びれもせずに聞いてくる…
「あぁ…」
「俺の茜もついに女に寝取られるか…」
…あ!そうそう、さっきから話している“僕”の名前は朝比奈茜(あさひなあかね)恋に恋する15歳…中学三年生だ…身長167センチ…んで、トレードマークの丁髷はガキの頃から続けている。なんでこんなとこで説明はいるのかって?そんな事を聞くのはヤボというものだ。作者に変わって謝っておこう(ハハハ)…話を戻そう。
「そういう冗談はやめろって言うとるだろがぁ」
「茜がだんだんと遠い存在に…昔は俺だけの茜だったのになぁ」
「だ〜か〜ら〜」
「お!竜童児晶!」
「え?!」
もんのスゴい速さで辺りを見回しちゃう俺…
「なぁんてココに居るわきゃない!」
「うぅ…」
友人たちはドッと笑い出す…
「でもよぉ…真面目な話、そんなに気になるなら探してみろよ?おまえがそんなに女に惚れ込むの初めてだろ?できることやっとかないと後悔するぜ?」
一転して真面目に話すカイ…こいつは昔からこんな奴だ…僕が本気で悩んでるときは何気に的確な助言を与えてくれる…僕の親友だ…
「だよな…何かとお堅い茜が女のことで回りに手がつかないんだから…」
「やることやんないと後悔しまっせ兄さん?」
「そうだ!おまえの病は恋の病!それは男と女の××によって分泌される彼女の○○という名の特効薬によって…」…まぁコイツは皆さんにボコられた…
例外は置いといて、なんだかんだ言って僕は良い友人に恵まれている…
どうしようもなくマイナス思考気味な僕を突き動かしてくれる…
「よし!」
「お?行くかね小僧?」
「応よ!」
「しかし今はやめときなさい…」
「やめてやりなよカイ…恋する乙女は止められぬ…」
「そうだ!俺のコスモは熱く燃えている!今の俺は誰にも止められぬ!!」
…「ん、ぁ〜朝比奈…それは俺でも止められないのか?」
「当然じゃ!いまの俺を止められるのは…」
「止められるのは?」
「竜童児さん…だけ…」ボソッ
「そっかそっか…俺としたことがヤボな事を聞いちまった」
「そういうことだから、止めてくれるな…え〜と…う〜ん…何かおかしいなぁ」
さっきまでバカ騒ぎしていた奴らがやけに静かだ+この教室で立っているのは俺だけっぽい+背後から浴びせられる大人オーラ=……
「え…え〜とですねぇ」
分かった…分かってるよ…振り返り現実を受け入れよう…
「気になる女の子を探しに行くのは、授業を終えて顔を洗ってからにしよう!な!朝比奈くん」
「センセ〜来てたのね〜」
「「ドッ」」と騒がしくなる教室内…
うぅ…俺が密かに想いを寄せていた桜ちゃんまで笑ってるじゃないかよぉ…
「笑ってやるなよぉ…茜はおまえらと違って繊細純情ボーイなんだからな」
そんなカイの一言が、いちおう僕の傷心をなだめてくれた…

…授業を終えた俺は走る…走る…彼女を探して走る…走る…彼女と出会った駅前目指して走る…走る…
が…
「約束もしてないのに見つかるはずないかぁ…そもそも彼女の家も学校も知らんもんなぁ…」
痛い現実が俺を打ちのめそうとしていた…その時!
またしても女神は舞い降りた(イマイチな表現?ウルセ〜)
長物を携えた小柄な女の子…あの姿は間違いない…
(だけど…どうやって声をかける?)
『いやぁ久しぶり!』=『おまえ誰だ?』
『待ったかいハニー』=『成敗!』
『う〜ん』=『???』
いくつもパターンを考えてみるが、考えれば考えるほどに上手くいく予感がしない…
「あ〜もう男だろ〜男だろうが俺!」
「おい、おまえ。」
「こうなったら、まずユーモアで攻めるか?彼女を笑顔にさせておいて…う〜ん」
「おい!さっきから何をう〜う〜言ってるんだ?」
「あ〜こんな事ならカイに色々聞いてくりゃよかったなぁ〜くそっ情けないです俺…」
「お〜い聞いてるか〜」チョンチョンバシバシ…
「ちょっと黙っててね〜っと…う〜ん今日はあきらめますか?神様、今日の頑張りを讃えて再びチャンスを下さいますか?」
「はぁ…やれやれ…すぅ〜はぁ〜すぅ…」
「「い〜かげんに気づけぇ〜」」
バッシィィ〜ン
そのとき…疾風怒涛の一撃が俺の脇腹を貫いた…


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