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初恋はインパクトとともに
【青春 恋愛小説】

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初恋はインパクトとともに ♯1/ラストサムライガール-1

彼と出会ったのは…冬にしては温かい…そんな日の夕暮れ時だった…
その日…私は確かにムシャクシャしていた…
(そういえば何故あんなに苛ついていたんだ?)
そんな私を男たちが取り囲む…
こんな事は一度や二度ではないがホントにウンザリしている…
(運の悪い男たちだ…)
父や兄は女なんだからもっと周りに気をかけろと言う…
私の容姿は世間一般的に見て…その…なんだ…可憐?キレイ?らしい…
って自分で言わせるな!
違う…違うんだぞ!あくまでも父や兄が言っていることだ!
…と、とにかくこのような事は一度や二度ではないのだ…
…しかし見るからにくだらなそうな雰囲気の男たちだ…
これは俗に言うナンパとかいう奴なのか?
とにかく私はこういい輩にたびたび出くわす。
大抵は、私が返答しないと、数や力で迫ろうとする…
私が小柄だからなのではないだろうかって?
気にしていることを再確認させるな!
(ふぅ…まぁ今回も肩慣らし程度にはなってくれるだろう)
しかし世間一般の男ってのはどうしてこういう輩が多いのか…
(私の勝手な偏見か?でも、屋敷を出ると見かけるのはこういった輩ばかりだ…)
私は幼い頃より男たちに囲まれて過ごしてきた…
漢と書いておとこと読む…そんな者たちに囲まれて過ごしてきたからか…私は女らしくないらしい…
自分でいうのもなんだが…私は乙女だ!と思う。
身だしなみに気づかいは忘れないし、色恋沙汰に興味がない訳でもない…
ふぁっしょん…もとい服装や身だしなみにもそれなりに気にかけているし…
テレビも見るぞ!友人たちは大河や剣劇が好きだというと、女らしくないと笑うのだが…
そうそう、らぶれたーなる物も貰ったことがある!何故か女子からばかりなのだが…
と、ここで問いたい。
そもそも、女らしさ…男らしさとは何なのだろうか?
親父殿は女らしくあれと私に言う。
男…いや、周りの誰からも愛される…可愛い女であれと…
女らしく=可愛いく?
女らしく=???
どのような行いが女らしく、どのような行いが男らしいのか…そもそも、そのような括りは必要なんだろうか?
男に尽くすのが女らしい?
女を守るのが男らしい?
それだけではないのだろうが、そのような俗説が女らしさと片付けられるのならば、自分には女らしさなんて必要ない…
私は私だ…“自分らしく”在りたいと思う…
そんな自分を否定するような男ならば必要ない…そんな自分を理解してもらえないのならば…私の私らしさが受け入れられないのならば、私は独りでいい…そんなふうに思っていた…
それが私の“自分らしさ”なのだと…
そうなんだ…奴に…もとい彼に出会うまでは…
私の前に立ちはだかり…必死に私を庇おうとしている丁髷頭のへっぴり腰…
涙目だが真っ直ぐに前を見据えた瞳…
強くはないが…情けなくはない…
頼りないが…どこか頼りたくなる…
そんな…何故か一目で気になった男…
そんな彼が私を変えていった…
私の乙女心をくすぐったのかって?
うむぅ…そんな表現も悪くないかもな…
うん…悪くない…


それは僕が中三だった冬の出来事…
その日は、冬にしては珍しく温かく、印象的な日だった…
「…」
「安心せよ…峰打ちだ…」
目にも止まらぬ速さで振り抜かれていく刀…
バッサバッサと時代劇の殺陣よろしく切り払われていく男たち…
(あ!鞘はついたままだからね〜)
刀を振るっているのは僕と同じ年くらいの小柄な女の子…
僕は一目で彼女の魅力の虜になった…
その小柄だが凛とした雰囲気に…
幼さを残したキレイな顔立ちに…
清潔に切り揃えられた美しい黒髪に…
そして…気持ちよいくらい優雅に刀を振るう“彼女”の一挙手一投足に…
僕は心奪われた…


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