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初恋はインパクトとともに
【青春 恋愛小説】

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初恋はインパクトとともに ♯1/ラストサムライガール-2

…事の発端はその数分前…
彼女が男たちにからまれている所を発見したのが始まりだった…
小柄な少女が汚い男たちに絡まれている…
そんなシチュエーションが僕を動かしたのか、気付いた時には彼女と男たちの間に割って入っていた…
(いま思い返すとゾッとしないが…)
「や、やめろよ…な、何するつもりだよアンタら…」
「ぁぁん?」「んだんだ?」
「ぉぃ…おまえ…」
「心配しなさんな…おじょうさ…ぁ…」
………
ゲス…
「んん…ちょちょちょっと」
ゴガッ
(いきなりかよ!)
ダンッ
「タイム!は無し?」
グフッ
(容赦ねぇ〜&情けねぇ〜)
やはりというべきか…
お決まりというべきか…
腕っぷしに大して自信もない僕はやられ放題だった…
(あ〜情けね〜でも、あの女の子が逃げる隙くらいは作れたかも?作れたはずさ!頑張ったもの俺!)
「ったく…余計なことをしてくれたものだ…」
「…え?」
腹を抱えて倒れている僕を、とっくに逃げたと思っていた彼女が見下ろしていた…その威風堂々とした立ち振る舞い…
疾風怒涛の剣撃…
その中心で刀を振るう少女に僕の目は釘付けになる…(つうか今の時代、刀を振り回すのは問題なんじゃ…)
斬…
断…
ザザザン…

…その後は前に述べた通りだ……
(良かったら読み返してね)
………
刀を風呂敷包みに仕舞い込むと彼女はふぅと一息…
まだまだあどけないが、改めて見ても綺麗な顔立ち…
(キレイ…だよなぁ…目とか髪とか…ほぇぇ)
と我を忘れて見とれていると振り返った彼女と目が合った…
『全く情けない…根性なしだなぁ』
その目はそんなふうに僕の無様さを蔑んでいるようだった…が、彼女の口から出てきたのは意外な一言だった。
「男にしては見所があるな…うん」
「…ぇ?」
「まぁそんなことより、さっきのセリフ決まってなかった?」
「へ?」
「我ながら今日は技も冴えてたと思うんだけど…」
そう言いながら凄まじい速さで先ほどの剣劇を真似て腕を凪ぐ彼女…
「ちょっと…聞いてるか?」
「ぁあ…ハイ…」
「しゃきっとしない奴だな…そんな事よりどうだった?さっきの私、決まってただろう?」
「は、はぁ…」
「一度言ってみたかったんだよなぁ“安心せよ…峰打ちだ”って」
「ふぅん…」
「で、どうだったんだ?格好良かったか?」
「…」
「かっこ良かった…よな?」
頬をつかまれ、むんずと顔を寄せられる…
カアァ…僕の顔は自然と赤くなる(うぅ…顔近いっつの…)
「ったく…はっきりしない奴だなぁ…あれだけの大人数に向かっていったから見所のある奴だと思ったんだが…」
「その大人数をものの数分で倒しちまうあなた様は何者ですか…」
「私か?私は竜童児晶(りんどうじあきら)だ…」
顔がくっついちまいそうな至近距離でも彼女は平然と応えた…
「ご立派なお名前で…」
平然を装いながらも内心ドキドキな僕
「むぅ…おまえヤな奴だな…ちょっと微妙な名字だって気にしてるんだぞ!」
これまた至近距離でムスッと表情を変える竜童児さん…
(くぅ…可愛いじゃんかよ…)
「んでどうなんだ?キマッてただろ?」
「ん、あぁ…格好良かったよ…かなりね」
「だろだろ?肩慣らしにはちょうど良かった…今日こそ親父殿から一本取れそうだ」
「ヨシッ」
彼女はパシッと僕の頬を優しく(彼女の加減での話だが…つうか何故に自分でなく俺に?)叩くと満足げな笑みを浮かべて立ち上がった…
「じゃあ夜道には気をつけるんだぞ?では、うん…また会おう!!」
どこまでも男前な少女だ…
「それは男の俺のセリフだっての…でも」
そんな不満を吐きつつも、僕は妙に清々しい気分だった…
「でも、また会おう…か。」
(また会いてぇよ、マジで)
彼女との出会いはそんな感じだった…
インパクトたっぷりの数分間…
その衝撃たるや、三冠馬が誕生した瞬間のそれを超えていた…
あ、あくまで僕なりの表現でだけどね…
兎に角、すんげ〜インパクトだったんだ!
うん、それはそれは忘れられない日となった…


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