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官能の城
【女性向け 官能小説】

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官能の城(3)-5

彼は開放的な性格ではありましたが、
城内での乱れた性の狂瀾を快くは思っていませんでした。

そしてジャンヌを初めはあまり評判の良くない
マーガレット王妃の付け人という事を知っていましたので
気にも掛けないでいたのですが、
思いの外に彼の好む純粋さと素朴さに次第に惹かれていったのです。


そしていつからか声を掛けるチャンスを狙っていて、
あの時に彼女に声を掛けたのがきっかけでしたが、
彼のその思いは間違っていなかったと確信するのです。


二人は城外で逢うことが出来ないため、
密かに逢瀬の時間を見つけては軽いキスと抱擁を重ねていましたが、
そのチャンスが巡ってきたのです。


それはあの王の誕生日のその日の仮面舞踏会の夜に、
こっそりと城を抜け出し、
城の後ろに繁る森の中で二人が落ち合うことに決めていたのです。


その夜が、
偶然にも父が補佐する王子のリチャードが城を抜け出すなどとは
想像さえしていませんでしたが。


城の中の仮面舞踏会では紳士淑女達がそれぞれ意匠を凝らして着飾り、
その顔面を覆う仮面の下に個性を隠し、
欲情の赴くままに破廉恥な行為に及ぶセレモニーでもあるのです。


そんな人々がお互いの異性を求めて興じている時間に、
フィリップとジャンヌはそこを抜け出して
城の後ろで繁る森を目がけて抜け出していたのです。

まんまと抜け出した二人は
森の中で用意してあったシートを敷いて抱き合うのです。

この瞬間を待ちこがれていたジャンヌは、
しっかりとフィリップに抱きつきます。

フィリップは明るい月の光に照らされたジャンヌを見つめ、
彼女の耳元で愛の言葉を囁くのでした。

「好きだよ、ジャンヌ、これからも僕に付いてきてくれるね」

「はい、フィリップ様・・勿論です、
ジャンヌはずっと貴方のような方が現れるのを待っていたのですもの」


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