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官能の城
【女性向け 官能小説】

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官能の城(3)-3

「なるほど、それで君としてはどうすれば良いと思うのかね」

「わかりません、
だから家を出ていろいろな世界を知りたいと思ったのです、
ただ僕が思うことは有り余る物と、
奢りと高ぶり等が人の心を狂わせるのではないかと思います」

ここまで少年の言葉を聞いていたヨーゼフは
この少年がただ者ではないと感じていましたが、
まさかこの国の王子だとは思いも寄らなかったのです。

というのは彼はかってこの国の軍人で幾多の戦を戦い抜いた軍人でした。
しかし、戦いが終わって自分が沢山の敵を倒し、
殺したことに心を痛め、
その後にこの田舎に身を寄せてひっそりと農業を始めたのでした。

彼はリチャードが憂うように、
いまの政治のやり方に疑問を持っていました。

彼の若い頃はそれぞれの人は新しい国造りを目指し、
それに向かっていたものですが、

一度それが達成されると、
その思いさえも忘れ享楽の道へと落ちていくのを見ていられなかったのです。

勿論そんな人ばかりではありませんが、
それを思うとき彼の心は虚しくなってくるのです、
そしていつの日か今の王が政治の世界から去就され、
新しい王による理想の政治が興るときを期待するばかりなのです。


その彼の思いは子供達にも浸透され、
その心の大切さを子供達に教えていたのでした。

彼の息子の20歳になるジョゼフと娘の17歳のマリアも、
父と同じように平和な世界を夢見ていたのです。


(15)

城の中では相変わらずの享楽の世界が渦巻いておりましたが、
それなりに平穏な中でも
それぞれの人達は何事もなく過ごしておりました。


マーガレット王妃の侍女の一人であるジャンヌは、
栗色の髪の毛を肩まで伸ばした
アンナと同じ20歳の初々しい可愛い女性でした。

アンナと同じように王妃の世話をする事に生き甲斐を感じていましたが、
やはり年頃ともなると異性を気にするのは、
どの世でも変わらない思いは同じなのです。

王妃を気にして彼女達に近づく若者は余りいませんでしたが、
それでも、あの可愛く美しいあの二人に
思いを寄せる何人かの勇気有る若者はいたのです。


王妃と恋人のクリスの甘く美しく激しい性の饗宴を
まざまざと見せつけられる若い彼女達にとって、
それはあまりにも刺激的でした。


熱い火照りをアンナと裸で抱き合い、
その思いを鎮めてみても、
やはりその若い二人の身体を満足させることは出来ませんでした。


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