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恋人に捧げる舞子の物語
【SM 官能小説】

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恋人に捧げる舞子の物語(黎明編)(その1)-2

 …欲しい…

もう三十五歳になったあなたは、自分の熟れた体を確かめるように、むっちりとした腿に掌を這
わせ、恥丘を撫でる。ふさりとした茂みの無機質な感触が掌に伝わってくる。充たされない渇き
きった陰部、弛みきった膣…その奥深くを虚しく吹き抜けていく風…体が、虚しくなるほど淋し
いということが、こういうことであることにあなたは気がつく。

ぬかるんだ沼のような倦怠感に包まれた体ほど、男のものを子宮の底から欲しがる。爪を立てた
乳房の乳首だけが、厭らしいほど丸みを帯び、そそり立っていた。


死んだ母が再婚したのは、あなたがまだ少女の頃だった。義父となったその男は、母より七歳も
年下の若い男だった。あの頃、深夜に母の寝室から聞こえてくる喘ぎ声、母の嬌声…そして鞭の
音…。鞭の意味さえ知らなかったあの頃のあなたは、ベッドの中でその鞭の音の恐怖で体を震わ
せていたものだった。


 昨夜は、なぜか黒い下着を身に纏いたくなったあなた…。

ふとあなたはあの義父のことを思い出したのだった。恋人と出会う以前…そう、もう七年も前の
ことだ。あなたは、あの男によってSやMの世界を知ったのかもしれない。
床に跪く裸の義父は、あなたの脚先を舐め始めた瞬間に、むくむくと肉棒を勃起させ始めた。
恥じらう女のように白い太腿をぴったりと捩り、哀れな性器を晒し、鞭を手にする女の前に背中
を丸め、跪く男の顔ほどエロスに包まれたものはないと思ったのもあの頃だった。

義父の欲望は、あなたに頬をぶたれ、鞭を浴び、脚先でペ○ス踏みつけてもらうことだった。
その肉棒を踏みにじられ、激しくいたぶられることでしか性のオルガズムに達することができな
い哀れな男…最初は、どうしてもあなたにはそんな義父が理解できなかったものだ。


 …僕を虐めてください…

陰部を擽るような言葉を、憂いを湛えたような瞳をした義父は、真顔で哀願するのだった。
亡き母が愛したマゾの男…。まだ若かったあなたが、鞭を振るった義父はあのころ四十歳くらい
だったろうか…義父がどんな仕事をしていたのかは知らない。
年齢よりもかなり若く見えた色白で女形のような瓜実顔、すらりとした優雅な体つきと卑猥に
括れた女のような腰…。そして、何よりもあの彫りが深く、麗しいくらいの白さを持った性器を
初めて見たあなたは、その淡い煙のような繊毛に包まれたペ○スに嫉妬さえ感じたものだった。


 あの頃…あなたは、跪いた男に自分の足首を初めて舐められた。


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