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走馬灯
【その他 官能小説】

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走馬灯-11

新規のクライアントも継続のクライアントも、社運をかけてプレゼンに臨んでいるものだと思う。それは提案するこちらにも言える話だ。商品の魅力は嘘をつかない。商品説明に虚構や作為が生じるのだ。変わらない魅力をいかに更なる高みへ上げるか…それが背伸びなのであり、化粧なのである。

人は着飾る。裸では一部のヌーディストビーチや雑誌の紙面、AVのスタジオ以外では捕まるというものだ。時代は恥じらいを美徳とし、産業や暴力に昇華させた。人は総じて抜け目ない生き物であるから、逆に滑稽に感じる。

男の前で裸になる女の気持ちは、温泉の脱衣場のそれとは違うと思いたい。では、どんな想いで立つのだろう。どんな想いで股を開くのだろう。胸は高鳴らないのだろうか。肩やひざ、唇は震えないのだろうか。生娘ならまずは仕方ない。腐るほど見たことがある。女は男を受け入れ、強くたくましくなっていく。その一言に尽き、ないから面白い。

中には自らの身体や価値観を十二分にすり減らし、男を求めてさ迷い歩く者もいる。自分は何も悪くない、これぐらいまではいい、減るものではない。ダメ女の末路、というより輪廻である。際限なく、際限なく繰り返される。そういう女はカモになる。そんな世の中だ。

そういう女に限って男性の友人に対して「きゃ〜。やだ〜。あっちで着替えてよ〜。だから男ってデリカシーが…」抑揚のついた甲高い声を上げがちだ。好いた男の性器は喜んで凝視し、頬擦りし、頬張るくせに。かまととの語るデリカシーにはなんら重みを感じない。対極で、肉食系でもサバサバしていて省みる者もいる。

それが今回の話。ただ明らかに汚い感じはしなかった。何人もの男が出入りしていたようには見えない。自分で、小ぶりだが形のいいかおりの胸を触ってみる。何やらむずがゆいような、くすぐったいような、ある種の形容しがたい高揚感が漂う。意識のないかおりをレイプしているようで、興奮を隠せない。

それだけではない。シャワーに乳房を打たれるだけでなんとなく股間がじんわり温かくなる。女の体。いやでも男の時よりも過敏になっているのだろうか。恐ろしい。迷信では女の絶頂は男に耐えられないぐらいの高まりだと聞く。死んで繰り返しの旅に出て、イッて死ぬ。それは悲劇的、それは喜劇的、相当に面白い。

男が女になる。性転換手術は未だに神への冒涜に至らない。ちりあくたから星を作り、星に海を作り、海を隔てる大地を作り、最後に人を作った神。星や海、大地を破砕しようとも、性別までは打破できないから人間は浅薄というものだ。気に入らないのだろうか。自分を変えられない苛立ちから他を変える。今回の旅で、自らがそうならないことを切に願う。

シティホテルの浴室から出ると、眼前に夜景が広がった部屋だと思い出した。一枚ガラスの向こうはまるできらびやかなおもちゃ箱。ダブルベッドに腰かけている壊れたぬいぐるみは、ビールを片手に羨ましそうだ。ドアが開いた音に見向きもせず、深層心理ではむさ苦しい箱の中に戻りたいと願っているのか。

世間からそれ始め、爪弾きにされて、傷つく度に自我を強くし、能力を高めていった田宮。初めて見た自分の裸の背中。肌色より少し浅黒いのは、部屋が暗いというだけの理由ではない。思ったより大きい背中には、対照的に人間的な小ささを感じる。儚さも。寂しさも。痛々しさも。

ここで台本通りなら、かおりはゆっくりとタオルをはだけさせながら、後ろからそっと抱き締める。背中にツンと当たるものが触れ、心の中に染み渡ったあたたかい想いの正体を確かめようと、抱き締め返す田宮。ビールの缶がカーペットに落ちると、にぶく高い音が鳴り響いた。コポポポポ、シュワー。こぼれてる、こぼれてる。…ここまでがワンカットだ。

いかない。いけない。できない。タオルをはだけさせながら移動、やんわり抱き締め、乳首でタッチ。ウルトラ?難度の技なのだろう。かなりハイレベルでしり込みをしてしまう。同時に、かおりを女優として女性として尊敬する。完成したらそこからは特許の話。かおりに先んじて『タミヤ』という技名をつけて世界に発信だ。そこかしこの肉食系女がそこから模倣し、昇華するだろう。


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