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最後の夏。
【青春 恋愛小説】

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最後の夏。-3

『…なんでかえんだよ。』
『…忠広…』
後ろから抱き締められてる…。

『やっといってくれた…もうだめかとおもったじゃん。』
『…女に興味ないんじゃなかったの?』
そういうと忠広は照れながら、『亜希以外はね』といった。
あたしは大泣きしてしまった。うれしくて…。
忠広は頭を撫でていてくれた。

『亜希…好きだよ。ずっとそばにいてくれな。』
『…いわれなくたってそばにいる…』
その日は手をつなぎながら一緒にかえった。


県予選は…始まった。
1回戦から去年の3位チームと…。
1回、2回と回を重ねていくうちに点差は広がる…。
8回が終わった時点で5ー1。これで4点とらなければ負けてしまう…。
あたしは紗弥加と2人して選手に声をかけていった。
忠広のところにいったとき…
『忠広?』
そう、彼の手はふるえていた。


ぎゅっー…。


『…亜希?』
『大丈夫だよ。忠広なら打てる。…がんばってね。』
『…おう。』

9回表。…1アウトで2塁。そんなときに忠広に打順が回ってきた。あのときから忠広はあたしの手をはなさない。
『…出番だよ?』
『ん。』
彼が立ち上がった。そのとき。

(ちゅっ)

あたしのおでこにキスをした。
手をはなし打席に忠広が入った。


『お疲れ。』
あたしはそういい、かれに飲み物を渡した。
ここは河川敷。あのキャッチボールをした場所。
あのあと1点を返したが…最後は…レフトフライで終わった。
『…終わったな。』
『終わったね…。』
この部活に注いだ高校生活…。
…終わってしまった。これからはバラバラの進路…。
もう…みんなであぁやって笑いあえる時期は…ないのだろうか。
そう思っていた矢先、彼が口を開いた。
『…またみんなで野球しような。』
あたしはなきながら『うん』と答えた。
どちらからというわけでもなく、あたしたちはキスをした。


二度と忘れられない夏だった。


ー完ー


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