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最後の夏。
【青春 恋愛小説】

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最後の夏。-2

『スタート!』
というあたしの声に合わせてみんなはしりだした。
チャリの分いいが、走ってる人数分のタオルと2リットル×3本の飲み物…。
地味に重い…。

走る道も半分を過ぎたところで、『30分経過〜!』と叫んだ。

そのとき。
ーガシャン…!ー
前方から何かの音がした。

『なに!?』
あわてて前方へいくと…
『大丈夫!?…忠広!』
どうやらガラスが落ちてきたようだった。
『みんな走ってて!』
そういってあたしは先生にメールをし忠広の手当てを始めた。
『大丈夫…?』
『…まぁな。』
ぎこちない会話をしていると、
『山谷!病院いくぞ!亜希ものれ!』
と先生がきた。

病院で手当てが終わり、学校についた。みんな心配していたようだったけれど、大事には至らないというのでみんな安心していた。
帰り道、あたしと紗弥加と忠広と…なぜか麻績山くんでかえっていた…。

『んじゃ、あたしたちはこのへんで』
『ちょっ…ちょっとまってよ…!』
あたしの話も聞かないまま、紗弥加と麻績山くんは去っていった。
(なにはなせばいいのさぁ〜…。)
『あの2人つき合ってたんだね…』
『みてぇだな』
(会話終わった…どうしよう…。)
そのとき彼が
『亜希、キャッチボールしてかえんない?』
と誘ったので、
『…いいよ。』
と返事をして河川敷にいった。

『大したけがじゃなくてよかったね〜』
『そうだな…』
パシッ、パシッとボールの音だけが響いている。
ふいに忠広がボールを投げるのを止めて近寄ってきた。
『なに泣いてんだよ。俺が泣かせたのか…?』
は?なにいってんだ?
目元を拭うと涙が。止めようと何度も拭っても溢れてくる。
『どしたんだよ…』
『だってっ…だって…もう引退なんだもん…っ。…野球やるのだって…最後だもん…っ。』
恥ずかしい。なんでこんなとこで泣いてんだよ。あたしは。忠広と野球やれないのが…一番やだよぉ…。

『そんなに…離れたくないやつでもいんのか。』
『いる…』
あなたですよ。忠広…。
『そんなに野崎がすきなら告っちまえ。』
…は?野崎…?
『なにいってんのよ!!野崎なわけないでしょっ!!』
『じゃあ誰だよ。』

『背番号2番のキャッチャー。』


いってしまった。

忠広が黙っているのであたしは自分の家の方向に向かって歩きだした。


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