投稿小説が全て無料で読める書けるPiPi's World

エリザベス・悲劇の人形たち
【ファンタジー その他小説】

エリザベス・悲劇の人形たちの最初へ エリザベス・悲劇の人形たち 30 エリザベス・悲劇の人形たち 32 エリザベス・悲劇の人形たちの最後へ

エリザベス・悲劇の人形たちY-2

「調子はどう?」

「うん…」

 頭押さえるマルセル。

 倒れた時の事は…

 ハッキリとは覚えてなく、どんな状況だったか分からない。

 シェリーが説明する。

「アンタが倒れた時の状況は既に把握しているわよ」

「把握してる?」

「グロリアスの知り合いの聖導士さんが、アンタの魂から霊査で伺っているから。倒れる直前まで、エリザベスにコキ使われていたって言うんじゃない」

「…」

 コキ使われた。

 うーん…

 覚えてないわ。

 でもこの1年ぐらい…

 エリザベスは何だか、活発になって来ているのは思い違いだろうか?

 それまではとても大人しかったのが…

 子供人形たちがウチへ来た時からよく喋るようになった。

 母親としての自覚に目覚めたのかもしれない。

 でも、それだけじゃないような気がする。

 やたら、太々しい態度が目に付くし、私に色々と指図して来たりする。

 あの人形はいったい…

「エリザベスって人形が、よく…分からないわ」

「え?」と、マルセルに注目するシェリー。

 珍しい。

 エリザベスを溺愛するマルセルが、初めて疑問の言葉を口にするとは意外である。

「何だか本当のあのコを見せられたみたいで、凄く怖くてが何を考えているのか、こっちは理解出来ないの」

「エリザベス人形の出世についてなら、教えてもイイわよ?」

「今更、教えてなくても…私は知っているけど」

「マルセルが知ってる事、聞かせてくれない?」

「ええっと…」

 シェリーに促されて、マルセルはエリザベスの生い立ちについて、語り始めた。

 エリザベス人形は今から数百年前(実は作られた年代がハッキリしていない)から存在していた古い動くアンティークドールである。

 当時、フリーラムランドに国一番と言われる大富豪の男がいた。


エリザベス・悲劇の人形たちの最初へ エリザベス・悲劇の人形たち 30 エリザベス・悲劇の人形たち 32 エリザベス・悲劇の人形たちの最後へ

名前変換フォーム

変換前の名前変換後の名前