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fantasy ability
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reality ability‐第12話‐“真実”の敵、‥‥ナイトメア・アビス──‐-1

「‥貴方には悪いけど、彼女に委ねるわ。貴方の“在り方”を。」

もう1人の皇希が言った。姿が変わる。皇希に似て非なる顔立ちに平均ぐらいの胸。長く青っぽい髪。身長は155cmぐらい。
太くも細くもない手足で全身もそんな感じだった。服装は民族衣装みたいな感じであった。で、何処からどう見ても女性。
彼女は腕を組んで皇希を睨み付けるような視線で見ていた。対する本物の皇希は自然体。彼女から放たれている雰囲気に臆する事はなかった。
皇希は不思議に思っている織音を1回見た。だが、彼女へと向き直り口を開く。

「‥お前に決められたくないな。俺には俺の生き方があるんでな。」

皇希は強気の表情での発言だった。それはいつも通りの皇希らしさを織音は感じた。すると、皇希に似て非なる彼女は喋ろうとするが‥‥

〈ヒュン!!〉

一体の邪神が皇希に襲い掛かった。しかし、1つの音だけで邪神は真っ二つに分かれた。その邪神は何も解ってなかった。
皇希が刹動という名の動きで斬った事を。‥‥邪神は消えていく。この場でその動きを視れた者がいるだろうか?

「‥‥流石ね。それでこそ、貴方は“最強”に近いわ。“制限値”以上の攻撃が出来るなんて。」

彼女が言った。その表情からは皇希の“全て”を知っているように思えた。皇希の右手は震えていた。‥‥怒りの感情だろう。

「さてと、部外者は帰るわね?いいでしょ?‥‥これは貴方の運命。貴方が決めなさい。」

彼女は織音に近付いた。そして、他の誰にでも聞こえる事はない声で織音に告げる。

「アタシの名は綜神 皇恵(そうがみ きみえ)。‥‥貴女は“アタシたち”に期待されているの。彼を変えられる唯一無二の存在。だから、信じなさい?貴方だけの“力”を。」

彼女は‥‥皇恵はそう言うと、織音から離れるように少ししかないが何もない空間に立つ。足元に魔法陣を作った。

「‥‥じゃあね。“遊天の真命神”。」
「!!!」

皇恵はそう言い残した。皇希がキレたようで幻想具現化を‥両端に刃が付いた棒状をその方向へ投げる。
それは回転して邪神を斬りつけながらその方向へと進んでいく。皇恵は笑顔と思えない笑顔でそれを見た。
皇恵の魔法陣の発動の方が少し速かった。それは皇恵に当たる事なく、直進していった。‥‥邪神を倒しながら。
皇恵はこれをさせるために皇希を怒らせたのか?彼女は‥‥維蕪と同じように皇希を知っているようだった。
という事は彼女も“真実の真実の真実”を知っているのだろうか?これは深まる事しかなかった。
それはさておき、皇希が投げた幻想具現化によって、かなりの空間が出来た。この戦況を変える事が出来るような空間だった。
凰輝は誠慈を、羅紅は誑笥を背負った。直ぐに開いていた空間に移動する。少し遅れて織音も合流した。だが、皇希はその場にいた。
それもそのはずだ。皇希の足元には作られた巨大な魔法陣から離れる為であった。それは歩く程度の速度で回っていた。
更に邪神は勝手に消えていく。‥‥いや、皇希の魔法陣の効果だろう。

数分後には邪神は現れる事はなかった。残る敵は黒神と佐神、‥‥最上階で高みの見物をしているカオスだけだった。
皇希は黒神と佐神を無視しようと門の前へと歩き出す。‥‥当然のように2人が皇希の前に立つ。


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