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fantasy ability
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reality ability‐第12話‐“真実”の敵、‥‥ナイトメア・アビス──‐-2

「なんだよ!無視かよ!まぁ、いいぜ!‥‥お前さえ死ねばいいんだよ!」

黒神が言う。右手で持っていた剣で皇希を狙う。が、凰輝と羅紅に防がれた。2人とも身体の傷が完全に治っていた。

「やらせるわけには‥いかんな!」
「これなら!!」

凰輝が言う。羅紅が黒神に攻撃する。しかし、余裕で避けられた。

「フン!コッチニもいるんだよ!?」

続いて佐神も皇希に攻撃する。がしかし、誠慈と誑笥が防ぐ。やはり、完全に身体の傷が治っていた。

「お前の相手は‥‥俺たちだ!」
「死にな!」

誠慈は言う。誑笥が隙を作らせない攻撃で佐神を狙う。だが、佐神はその攻撃をかすり傷程度で抑えた。

「‥‥私たち、“神”は人間の上の存在。だからといって、世界を壊すことは許さないわ。」

織音が皇希に近付きながら言った。その表情は真剣。皇希は織音を見た。織音は更に歩き出す、門の前へと。

「確かに神にでも出来ない事はあるわ。でもね、絶望的な事じゃないの。‥‥私は皇が好き。今はそれだけで幸せよ。」

門の両脇にいる黒神と佐神は織音を睨み付ける。それには憎しみようなモノが含まれていた。

「たぶん、平和っていうモノはない思うわ。‥‥だって、“人間”も“神”も自分が一番だと思ってしまうから。」

織音は最上階を見た。そして、門に近付く。皇希はその様子を睨むように見ているだけだった。

「それでも私は信じるの。想いの強さが力になるなら、‥‥私の“愛の力”が刻印によって“力”となるなら、皇の剣になるわ!」

織音は覚醒する!そして、淡い輝きが織音を包み込む。身体には守想の鎧に似たモノが、左手には数十センチの刀を持っていた。

「‥‥均の型、護崩刀(ごほうとう)か。それに愛の覚醒型である、一途な愛の型、無想の鎧か。」

皇希は驚きもしなかった。冷静に言い放つ。‥‥織音は二つ目の刻印を持った。それに、愛の型が覚醒型なら愛の刻印は更なる力を持った事になる。
‥‥これが“イレギュラー”かもしれない。が、それを知る者は皇恵だけだ。

「‥‥こんな結界は壊してあげるわ!」

織音は刀を門に向かって斬る。‥‥結界は壊れ、門も破壊された。少なからず、“愛の刻印”が刀にも宿ったように感じた。
それにしても愛の刻印の力は恐ろしかった。愛が“力”となるのは知っているが、この結界を一撃で壊した。
皇希も余裕だろうが、他の者ならこうはいかないだろう。これが今出来るのは織音以外はいない。


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