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エリザベス・悲劇の人形たち
【ファンタジー その他小説】

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エリザベス・悲劇の人形たちW-4

 マルセルは体の不調で仕事を休んでいた。

 家事なんて当然、あまり出来る状態ではない。

 だがエリザベスは、マルセルの体の事なんか気にも止めなかった。

 家事があまり捗ってない事に憤慨して、マルセルを軽蔑な目で見下す。

 マルセルは病身に鞭を打ちながら何とか家事をこなしていた。

「今日ノ夕食、イツモヨリ沢山、用意スルヨウニ」と、指示を出したエリザベス。

 マルセルはすぐに食材を揃えて、夕食の準備に取りかかった。

 エリザベスの方は、あれやこれやと指示するだけで、何も手伝わない。

 家主があくせくしている間、のんびりと過ごしているばかり。

 子供人形たちはハシャぎ回り、キディはずっとママのオッパイをチュチュチュチュ吸っている。

(筆者説明…キディのオッパイ吸いは、人間の小さな子供が指をしゃぶるのと同じような感覚)

 エリザベスは時折、キッチンを覗いては色々とチェックしたり指図したりしていた。

 マルセルは文句や愚痴1つこぼさず作業を続け、何とか夕方までに料理は出来上がった。

 マルセルが倒れたのはこの後…、

 出来上がった料理類を冷蔵庫に入れ込んで、扉を閉めた直後にその場に倒れ込んでしまった。

 マルセルは元々、体が悪い方だった。

 ここ1?2年は仕事と家事、人形たちの世話で多忙な日々が続き…

 体に相当に負担が掛かっていた。

 特に人形たちの世話に時間と金が費やされる事が多く、ストレスは溜まる一方だった。

 だからと言ってエリザベスには、家主の心境なんて理解するハズない。

 マルセルを召使いのように使っていた。

 どっちが主人なのか?

 子供人形たちさえも、マルセルをママの召使いとしか認識していないと言う。

 家主に感謝し、敬う。

 そんな当たり前な気持ちなんて、自分と子供たちの事しか考えないエリザベスの頭にはない。 

 手伝う。

 プライドの高いエリザベスには、屈辱的な行為なのだ。

 これにはグロリアスは完全に怒りをあらわにしていた。

 キディに対する虐待行為は…

 エリザベスの子供人形たちへの制裁の始まりなのだ。

 虫けらのように殺された数多くの子供人形の為の仕返しの始まりでもある。

 そもそも、エリザベスはただの動く人形ではないのだ。



       つづく


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