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友達の結婚によせて
【失恋 恋愛小説】

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選択-1

結婚式、披露宴当日。
大好きだった人、湊と親友、恵里の結婚。

大切な存在だからこそ
祝うべきなのだと思う。
おめでとう、と。

でも、未だに私は
大好きだった人を親友が、
親友を大好きだった人が
奪って行くような、
心のよりどころを二つも失ってしまうような
漠然とした不安を抱えていた。

だから、素直に喜べない。
だから、素直に祝えない。

新郎新婦が神父の前に立つ。
二人で向かい合って誓いの言葉を言う。
湊がやわらかい表情で恵里を見る
私を突き放したときの蔑んだような目線はなにひとつ見えない。
恵里、なぜあなたはあの湊からそんなにも愛情がもらえるの。
激しい嫉妬が渦を巻いた。
どうして恵里なの、と。
私はいつまでも憎しみのような
ただどうしようもない気持ちに周りが二人を祝福する間じゅう取り残されていた。



でもその中で
実はわかってもいた。
実は悲しいくらい現実をきちんと受け止めている自分に。

望んでいたのは
「私は湊に
 ずっとみつめていてもらいたかった
 好きと言われたかった
 抱きしめてもらいたかった」

だけどそれを伝えなかったのは、
伝わっていたとしても
応えられることがなかったのは
誰に八つ当たりするわけでもなく
「仕方がない」
ことだということに


選ばれなかった、と考えたところで
湊も恵里も、そして私も
生活の中でたくさんのものを選びながら生きている。
実はそんなにたいした理由で選ばなかったものが、
相手からすると選ばれなかったものが
実は大きなものであるとしても
だれもがきっとあらゆることを選択しつづけながら生きていることを。


だから選ばれなかったと嘆くのではなく
好きになって抱きしめた湊を
いきなり私を突き放した湊を
どんなことをしても引き止めようとしなかった私は、
湊を「選ばなかった」のだ。
負け惜しみではなく自分の意思で。


きっとずっと
私の中で渦巻いていた
負のイメージは
「湊に選ばれなかった」
ことに基づいている。
しかし、選ばなかった私が選ばれなくても
「仕方ない」んだと。

そして結婚式場で
孫の結婚を涙を流して喜ぶ
恵里のおばあちゃんを見たら
何も言えないでしょう。
そこまで私は悪魔じゃない。

まぁ、二人を認めるか。
素直におめでとうと言おう

そう思えてからは結婚式も披露宴もあっと言う間だった
スピーチも原稿無しで言ってのけた。
ただ「てんとう虫のサンバ」はゴメン…だったけど。。


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