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鎮魂
【SM 官能小説】

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鎮魂(その2)-1

 …あの憂いが漂う谷底で、あなたは自分の罪に与えられる苦痛を快楽とし、その欺瞞に充ちた
自分の魂を焼き尽くすがいい。


 見よ…あの魔女たちを…


女たちは、闇に包まれたその地獄の谷底で、荒々しい岩肌の地面に手足を広げ、その鎖を巻かれ
た裸身を磔にされている…広げた掌と足先の項には、鉄杙が貫通し地面に打ち込まれているのだ。

その乳首は獣のような鳥の嘴で喰い裂かれ、猿の精液を吸った陰部には人食い蟻が群がり、その
膣肉を貪られるのだ。罪に喘ぐ女は、与えられる責苦がもたらす肉の歓喜に打ち震えるのだ… 




ホテルの窓の外は、すでに漆黒の暗闇に塗り込まれていた。
私は、読みかけた南欧のある詩人の本をテーブルに置くと、ゆっくりと立ち上がり窓を開ける。
朱色の月の光で、地中海の波の表面がキラキラと宝石のように輝いていた。鉛色の海から吹いて
くる風の音が、どこか亡霊の啜り泣きのように聞こえる。 



 昨夜の悪夢が脳裏に静かに甦ってくる…



小さな高窓からわずかな光しか差し込まない僧院の牢獄は、薄暗く、息がつまるくらい屍臭が澱
んでいた。そこは昼も夜もわからない獄房だった。
私はあの僧院の中庭で熾烈な鞭打ちに気絶したあと、この地下の牢獄に連れて来られた。そして
牢獄の中の格子の鉄扉で仕切られた檻のような獄房の石壁に、身に纏うものすら与えられず鎖で
繋がれたのだ。

その牢獄には、私のほかに髪の毛を剃られた白人の若い女と老婆がいた。若い女は毎夜その牢獄
の地下にある拷問室に連れて行かれ拷問を受けていた。そして聞こえてくるのは、身を切り裂く
ような女の悲鳴と呻き声だった。
そして萎びた裸体に鎖を巻かれた老婆は、蛆の湧いたその陰部と枯れた乳首を数匹の黒い鼠に囓
られていた。


わずかな食事と短い睡眠を与えられる以外、私はその狭い獄房の壁に両腕と脚を広げ、磔にされ
石壁の鉄輪に手首と足首を鎖で縛りつけられていた。そして陰部を晒した私は排泄すら許されな
かった。
私は磔にされたまま、排尿と脱糞を床に垂れ流していた。そんな姿をあの修道士たちは卑猥な笑
みを浮かべて見ていた。
そして何時間もそんな格好でいると、しだいに体の力が抜けるように疲れてきて首がうなだれて
くるのだ。するとあの修道士たちは、私の体に鞭を打ち、陰部を執拗に犯すのだった。



 あれは確かにあの人の顔をした獣のペ○スだった…。


 私は眠っていたのだろうか…



牢獄の冷たい石床に仰臥させられた私の陰部を、あの人の冷たい鼻先が鼻息を荒くしてまさぐっ
ている。あの人は私の秘裂を執拗に弄くり、下半身に覆い被さるようその産毛の生えた身体を
寄せていく…。


 黒いマントを被った中に、私はあの人の瞳を確かに見たのだ…


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