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希望の愛
【二次創作 恋愛小説】

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希望の愛-5

「飽きた?飽きるって?今は8時だからみんな家にいるんじゃない?」
「8時!?おれは3時間も寝てたのか?」
「そーよー。打撲だし、触診だけど特に腫れてるとこもないし脳に問題があると思えなかったから寝かしとこーと思ってね。打撲のせいもあるけど、疲れてたんじゃないのー?」
たしかに僕は米沢先輩に近づくため必死で練習したから疲労がたまっていたのかもしれない。それに小嶋さんみたいな人が隣にいる部屋で夜おとなしく寝てろという方が無理だ。
「うん、疲れてたかも」
「じゃーさ……もっと疲れさせてあげようか……?」僕は唾を飲んだ。保健室に2人きり、夜遅い、ベッドの上とくれば………
「今日も料理作ってね」
小嶋さんはあの満面の笑みで言った。
―んなわけねぇよな。小嶋さんみたいな人がんなこと言うとは思えない―
「ま、ただの疲労だし十分寝たし、どっちにしろちゃんと食べないとね」
「そーだねー」
僕は抑揚のない声で言った。期待した僕が大馬鹿なだけだ。そしてベッドから降り、保健室を出て2人で帰った。僕は仮病を使わなくても2人きりになれることを幸せに感じた。近いのは近いので苦しい部分もあるが。


そしてこの生活から1ヶ月と少しが過ぎた。学校には1年の小嶋晴は愛先生の弟という噂が流れたおかげで少し僕に対する質問の嵐や、嫌がらせは減った。消滅とまではいかないが。
今日も部活を終え米沢先輩と帰ってきた。いつもの通り僕の家の前で別れようとしたら僕の家から男がでてきた。この家にいる男性といえば小野さんだけだが小野さんではなかった。空き巣か?とも考えたが、お洒落な感じでとてもそうとは思えなかった。
「あんなかっこいい人とルームシェアしてるのか?」「いや、あの人は住人じゃないです」
「………小嶋先生の彼氏かもよ?」
「いや………違いますよ」米沢先輩には全て話した。小嶋さんとルームシェアしてること、小嶋さんへの感情。そんな馬鹿な話笑われるかと思っていたが、先輩は真面目に聞いてくれた。「じゃないといいなー。またな」
「はい、さようなら」
ドアを開け中に入るとリビングに息を荒げて座っている小嶋さんがいた。髪はぼさぼさで服もだらしない感じだった。そんな姿を見て僕はつい不謹慎なことを考えてしまった。
「早かったんだ」
「あなたが遅いのよー」
口調はいつものままだった。
「ここに男の人来てなかった?」
「小野さんなら部屋よ?」「いや、もっと大人の人。25歳くらいかな?オシャレな感じの」
「どうだったかな、来てないと思うわー」
―思う?―
小嶋さんは明らかに嘘をついている。人が出入りすれば気付くだろうし、現に人が出てくるのを僕はこの目で見たのだ。米沢先輩もだ。しかし僕は深くは気にしなかった。

しばらくしてまた夕食をつくり2人で食べる。
「そういえば小嶋さんって弟いる?」
「んー?いるわよー。できの悪いのがー」
小嶋さんよりもできが悪いとは……。
「それって、小嶋晴?」
「あらー、やっぱり知ってたのー?」
「なんか噂になって流れてるんで本当なのかな?と思って」
「あら、そー。でも噂にしておいてねー」
「やっぱばれるとまずい?」
「んー、そうねー。ここに入るのにそのことでいろいろ注意されたからねー。身内扱いしないようにとか。あ、私も話があるんだけどー、私明日夜までいないから、夕食はつくらなくていいわよー」
「1人分でいいってことね」
「あ、そうねー」
小嶋さんはおかしそうに笑った。食べ終えて部屋に戻った。片付けは小嶋さんの仕事となった。


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