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coloraffair〜みんなの気持ち〜
【二次創作 恋愛小説】

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coloraffair〜みんなの気持ち〜2-1

結局成り行きでその子は僕の後ろの席になった。人数上アカの後ろと僕の後ろにはスペースがあって急きょ席を作ったのだ。なんでも、その子はある事情で突然僕の高校に転入することになったのだ。その子の名前は米沢寿里亜。静かな感じの子で、またクラスの男子の目を奪うような可愛さだった。アカもそのうちの1人で米沢さんを呼び込んだが、クラス中のやつらが気を遣ってか、僕の後ろに仕向けた。
正直僕は美衣菜しか興味がなかったので恋愛の対象としては見なかった。―不思議な感じは残ったが―

授業も終わり、昼休みがきた。いつものグループで弁当を食べようと行こうとしたらアカが止めた。
「寿里亜ちゃん1人だし誘わないか?」
僕はどうでもよかったが、席の件もあったしなんとなくアカには悪く思い賛成した。
「1人なら一緒に食べない?」
米沢さんは困ったような感じでうつむいたままだった。
米沢さんが何かを言おうとして顔を上げた。
「…………あ……」
僕の顔を見て驚いたような顔をしている?
「………え?何?」
アカと声がそろった。―おれのせりふだろ―
2人でにらみあっていると「………いいよ」
「えっ!?」
また声が揃った。
「そのいいよは肯定だよぬ?」
アカが身を乗り出すと米沢さんは首を縦にふった。

僕達のグループはいつも校庭で集まるので避けて、教室にいようということになった。
「寿里亜ちゃんは彼氏とかいないの?」
アカがさっきから質問攻めにしている。
僕のクラス、いや世間的にも高校生になりたてということもあり男子はみんな彼女をつくるのに必死だ。アカもその1人なのだ。僕はそんな必死にならなくても大丈夫だとたかをくくっていたらこのありさまだ。
「アカ、米沢さん困ってるだろ」
「おい、クロ、お前が1番彼女欲しい立場だろ」
「その話は本当によしてくれよ」
「そうだな、周りはまさかこんな落ち込み様だとは思わねえよな」
「わかってんなら触れるな、バカ」
米沢さんが何か言いたげだ。すかさずアカがツッコミをいれる。
「あれ、寿里亜ちゃんもこの男がタイプ?もてるんだよねえ、こいつ。ま、最近」
「あの」
僕が遮ろうとしたら、なんと米沢さんが遮った。
「お二人はアカとクロと呼ばれているんですか?」
「そうだよ。なんでか全く関係ない色なんだけどね」米沢さんはほほえんだ。
「私はシロです」
何のことだかわからなかった。アカも同じようだ。
「前にシロって呼ばれていたんです」
「へえ、じゃ3人とも色なんだ」
「なんでシロなの?名前シロじゃないよね?肌が白いとか?白が好きとか?」
またアカのマシンガンだ。「なんでか白っぽいと言われて……」
「クロと同じ感じだな」
アカは笑ったが、僕は笑えなかった。僕にはわかっていた。あのすれ違った瞬間から。―ひょっとして―
「米沢さんはおれのことどう思う?」
「クロもアタック開始か?」
「黙ってろ!」
「はいはい……」
「で、どうかな?」
「………どうって?」
「いや……なんていうか……何色っぽい?」
米沢さんは少し考えていた。
「わかんないけど似てる気がする」
米沢さんはほほえみながら答えた。僕と同じ印象を抱いていたみたいだ。
「なんだよ、2人だけで話し込みやがって……」
アカがぶつぶつ言っていた。

この日の昼休み以降はアカがすねてまたグループに帰っていった。僕も米沢さんと一緒にいる理由もないので帰った。友達思いの―男に対しては毒を吐くが―千弥子が米沢さんに声をかけてなんとか友達もできたらしい。そんなことがあっても僕の気持ちは重いままだが。


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