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想いのいきつく果て
【女性向け 官能小説】

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想いのいきつく果て〜Final〜-2

「…し…の?…」

「…やっと……自分のことが…好きになれたんや…やっと……」

「…しの……」

「それ以外のことやったら何でもする…だから…」

まるで許しを乞う為に縋りつくような目をむけているペットのようだ。
あたしの知っているしのはどこにいったん……

「…ええよ…別れる…そのかわり、今ここであたしの番号、削除して……縁きりたいから…」

『24』の口から零れる言葉に不信感を抱いたが、その真意を確かめる術はない。

「……わかった……」

腑に落ちない感が多々あったが、相手の言うとおりにした。電話帳にある『24』の番号を目の前で削除した。
それを見届けると踵を返し離れていった。
こちらに背を向け抑揚のない声で呟く…

「…ほな…元気で…」

「…お前も…」

『24』の家を出てからも何か釈然としない。
こんなにあっさり別れられたことに些か不安を覚える…

『19』との別れは簡単だった、電話一本で終わった。元々向こうも大して好きじゃなかったというところだろうか…

いずれにせよ、これで自由な独り身だ。次やるべきことを果たす為にある場所へ向かった。

学生時代から兄貴のように慕っている健二くんの経営するガソリンスタンドに顔を出し、雇って欲しいと頭を下げた。
健二君は俺の申し出を快く受け入れてくれた。

家への帰り道、茜色に染まる夕日を見上げながら心に想う。

紘子…元気か?
俺は頑張ってやっとるよ。
もう少し待っとってな…

ーーーーーーーーー

あの日、しのと別れてから一切の連絡をとっていない。
しのと会える日まで、私もやるべき事をやらなきゃ、そう決めた。

何度も旦那と話し合いはするものの、そのたびに暴力がエスカレートしていく。

感情より世間体を重んじる旦那は『離婚』という形が耐え難いのだろう。いつまでたっても平行線のまま

しのくん、私どうしたらいい?

会いたいよ…
声が聴きたい…
この手で触れたい…

遠く離れる愛しい人に想いを馳せる。

RRRRRRR……

一瞬思いが叶ったのかと思ったが、あっけなく裏切られた。

知らない番号……

「……もしもし……」

「…………」

「?」

間違い電話だろうと切ろうとした時、聞き覚えのある声がきこえた。


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