投稿小説が全て無料で読める書けるPiPi's World

想いのいきつく果て
【女性向け 官能小説】

想いのいきつく果ての最初へ 想いのいきつく果て 31 想いのいきつく果て 33 想いのいきつく果ての最後へ

想いのいきつく果て〜Final〜-1

「……え…今…なんて……言ったん?」

「…俺と別れて欲しい…」

頭の中が真っ白になった。今、向けられた言葉を理解出来ずにいる自分がいた。

「……な……んで…」

やっとのことで声を絞りだし問い掛ける。

「……ごめん……」

情けないくらい弱々しく謝る男……一度だって謝ったことなんかない…いつだって俺様な男だったしのじゃない……何がしのを変えたの……

ふと電話の女が頭をよぎる。
無意識に呟いていた。

「……ひろ……」

「!?」

しのの体がピクリと動いた。俯いた顔からも驚愕の表情が見てとれる………
やっぱり……
しのってこんなにわかりやすい男だったっけ……

『24』は不気味な笑みを浮かべながら体に触れてきたかと思うと、息苦しいほどしのの首に両手をまきつけて離れない。

「…しの…別れたりせえへんて言うたよね……」

「…ごめん…」

「…何で謝るん……あの女のため?…そんなにええの?」

しののシャツを掴みながら顔を近付け問い掛けた。
それでもしのの口が開く気配はない。

「………」

手をゆるめ、黙ったまま微動だにしないしのの顔を見据えた。

「………ええよ…別れてあげる…」

別れを口にした途端、初めて自分に向けられたしのの眼差し………自分があまりに哀れに思えてくる。

「…ほんまごめ…」

しのの言葉を遮るように条件をだした。

「その代わり……最後に抱いて……したら別れてあげる…」

しのの目が大きく見開かれ、驚愕の表情を浮かべたかと思うと、苦痛に満ちた表情へと変わっていく。

「……ごめん……できひん……」

頭は垂れ、握られた拳が震えている。

「…何で……しのらしくないやんか!そんなん出来るやろ!」

しのの胸を叩きながら泣き叫ぶ。

「……俺らしいって…なんや……」

顔をあげると無表情な…それでいて虚ろな目をした…そんなしのの顔が目の前にあった。


想いのいきつく果ての最初へ 想いのいきつく果て 31 想いのいきつく果て 33 想いのいきつく果ての最後へ

名前変換フォーム

変換前の名前変換後の名前