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密心
【ファンタジー 官能小説】

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密心〜かみのいは〜-3

あの清らかさを俺だけの手で色づかせたい
――染め上げたい

みそかと初めて会った瞬間に、思ったんは『嘘や』という思いだけやった

母代わり姉代わりのこともあって遊女に偏見があったんは自覚しとった

女で、こない清らかなヤツおるんか……

俺自身、人より幾ばくか整った容貌や、大店の跡取りという立場から、幼いころより人と接するのには当たり前みたいに媚びが含まれていた


誰も彼も身形をみて家柄をみて機嫌をとり真の言葉なぞ言わない

――嘘ばかり、そのくせ媚びばかり孕む


だから求めてやまなかった
夢みた瞳を、清んだ目をみそかにみた瞬間、夢みたいに嘘だと、――そんなことを思た


媚びのない、俺自身をまっすぐに見る眼差し


すがるように潤んだ目が自身の肌を滑るように、おそるおそる見つめてくるさまをみて、熱を煽られ苛めたなって……同時にささくれた小さな手が追いつめられて自身の背を引っ掻いてくればむっちゃ優ししたなった



――むっちゃ思た


コイツが欲しい、て

せやのにみそかは遊女のくせに甘言一つ吐かん

情事の『いい悪い』は言うても、『好いた好かん』は言わへん


……俺だけがどんどん好きになってく

いつまでも清んだ目をしてみつめて、情事はいっそ殺那的なまでにすがりつく


――その身を心から俺に預けたことないくせに

……俺だけが好きになるばかり


『いい、気持ちいい』

そう刹那にすがる唇で甘い言葉をこぼせ

そんな意味もこめて菓子ばっか贈ってしもた

買うことは買えど、贈り損ねた簪や櫛は棚に眠っとる

なぁ……一言でええから

情事の勢いでもかまへんから

――言うて?

――俺が好きや言うて?

その眼差しは滴り落ちそうなほどの純真な好意を孕んでいるのに

その指先は背に傷を残しながらすがってくるのに


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