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けんぽなし
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けんぽなし〜クスリ〜-2

「あ〜…うん、やってる子いたから」
ー……
「…どんな薬?…」
「さぁ〜私は見たことないから、何?ほしいの?」
「ううん、違う違う」
私、慌て首を振った。

「瑞希、今日太一のとこ行こうぜ」

ドキッー

突然、耕太郎が私の耳元で囁いた。

ーきゃーーー…!!!っもうっこ…耕太郎…

「やめてよ!!突然っ!!」
耕太郎にそう言った私の顔は、きっと真っ赤だ…

「ごめん、何か瑞希の反応かわいくってさ」

ドキンっ

ーああぁぁ〜〜ダメよ私っ!!耕太郎何か好きじゃないからねっ違うからね!!

「さくらに言いつけちゃうよ〜」
ーえ…
坂井さん、耕太郎に軽く蹴りを入れる。

「ああっ反則だろっさくらは関係ないだろよ」
耕太郎、坂井さんにそう言った。
ー…そっか…坂井さんは耕太郎と同中だ…彼女のことも…知ってるんだよね…

ズキっ

胸が痛む…

私の知らない耕太郎…
私の知らない耕太郎の笑顔…

そんな耕太郎が沢山いるんだ…

私には向けられない笑顔が沢山ある…

それは事実で…

だけど、現実感を感じない…
それは、‘さくら’を知らないから…だろうか…


太一の家の前で、耕太郎の電話がなった…

「…さくら?…何?」

ズキっー

ー………

耕太郎の優しい声が、‘さくら’に向かう…

ー…うっ…はぁ〜…疲れた…やっぱり彼女がいるなんて…私には荷が重い…

「瑞希、ごめん!!俺行くわ…」

そう言い残して背を向ける耕太郎…

ー………

「どーんっ、突っ立てんじゃないっ邪魔だっチビっバカ」
体当たりで、私の体を押しのける…

空だ…

ー…ううっ…帰ろ…

歩き出そうとした瞬間…
ガシっー
空に腕を掴まれた…


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