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時の戯れ
【青春 恋愛小説】

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時の戯れ(前編)-4

FROM:羽琉
SUBJECT:雨大丈夫だった?
アメリカの話楽しかったよ(>_<)また聞かせてね
明日、うちで一緒に宿題しない? 直美の家でもいいけど・・・ とにかく一緒にやろうよ!!
 羽琉
 メールを返信する気なんて毛頭無かった。今は電話がしたい。人をもっと近く感じたいのだ。今度は迷うことなく羽琉の電話番号を表示すると、発信ボタンを押した。
「明日の宿題の話だけど、羽琉のお家でしよう?」
家で羽琉が来るまで待つのなんて今のようでは耐えられない。それより、暑くても自分で歩いていくほうが淋しさを感じないのではないかという考えからの選択だ。
「うん。それより、いきなり電話着てビックリしたんだけど。」
「ちょっと、長くなるけど話を聞いてくれる?」
「時間あるし、いいよ。」
直美は、アンディーのとが滞在中ずっと気になっていたこと、でも上手くコミュニケーションが出来なかったこと、そして、メールを送ったけれど直ぐに返信してくれないことなどを赤裸々に話した。
「そうなんだ。じゃあ、直美はアンディーのことが好きなんだね。」
「うん。そうだと思う。」
この話を羽琉に持ち出した時点で気付いた筈だが、直接言葉にされて初めて自覚する。
「でもね、どうしてアンディーが直美だけとは打ち解けられなかったと思う? 他に友達は沢山いるんだよね?」
「嫌われてるってこと? でも、アンディーからも話しかけてくれてたし、嫌われるようなことなんてしてない。」
「違うの。私が言いたいのはそうじゃなくって、アンディーも直美が気になってたんじゃないかなってこと。」
「え。そう、なのかな?」
「私はそう思ったけど。因みに、アンディー以外の人からはメールの返信あったの?」
「なかったけど・・・」
「やっぱり。直美がメールしたのが朝だったら、向こうはきっと夜中だと思うよ。」
「そうだった。何で気付かなかったんだろう。」
直美は羽琉より学校の成績は優秀だが、より学校での勉強が実生活に根付いているのは羽琉のほうなのかもしれない。
「とにかく、メールはゆっくり待てばいいの。じゃあ、また明日ね。」
「うん。ありがとう。バイバイ。」
兎に角、「羽琉に電話してよかった。」と思い、階下に下りてキッチンで紅茶を淹れ、リビングでそれを飲みながら羽琉の言葉に一抹の安心感を持ち、「初恋」という言葉がくすぐったく頭の中を彷徨していた。そして、夜になりはじめると、続々とメールの返信が届いた。その中には、アンディーからのものも含まれていた。
FROM:Andrew
SUBJECT:Re:I have returned to Japan!!
Naomi,
I'm regreting that I cannot having lived in friendship. You have been being speaking to me in anytime. But I
couldn't respond well at all. Now, I wish I could have gone back to the time you had stayed in our house, and I would have play with you in harmoney. To tell the truth, I have missed you since you left America.
If you want, I wanna make close friends with you from now.
Andy
辞書をひいて分からない単語を調べつつ読んでも、まだ中学2年生では習わない文法表現が沢山使われていたが、でもこ
れから親しくなろうとしてくれていることが分かり、とても嬉しかった。
TO:Andrew
SUBJECT:Re2:I have returned to Japan!!
Dear Andy,
Your mail make me very happy. I also want to become your best friend. Let's send mail as often as possible.
Today, I met my Japanese friends. And I tell my life with your family and friends. They envy at my staying with you.
Your friend Naomi
直ぐにメールを返信すると、また直ぐにアンディーからも返信が帰ってきた。他の人にもメールを返信したり、それに対して返信されたのを読んで返信したりと大忙しだった。でもそれは、一昨日までの滞在の最大の宝である「友達」が沢山出来たのだということを物語っているため、直美もアメリカにまた行ったような気分になり、心がポカポカと温まっていた。子機がなり、母親から夕食を食べに来るように伝えられると、直美は上機嫌でリビングルームに向かった。


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