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fantasy ability
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reality ability‐第8話‐刻印・【真】‐-7

「私は貴女よ。‥まぁ、多少は皇と“真実”によって人格が変わっているけど。‥‥けどね、“真実(ほんとう)の自分”なんて誰も解らないの。それと“人間”だって、“神”だってね、自分とは違う存在(モノ)を受け入れないじゃない?だから、争いが起きるの。自分の方が正しいと思っているから。」

‥‥確かにもう一人の織音の言う事も間違いではないかも知れない。例えば、喧嘩するほど仲が良いが良い実例かも知れない。
お互いの信じる真実(モノ)が正しいと双方は思っているから起きる事である。しかし、一度喧嘩が終わると謝りあってお互いの真実を認めようとするからだ。
争いが悪いだけではない、譲り合う心も必要である。それに気が付けば“人間”も“神”も共に生きれるかも知れない。‥‥閑話休題。

「それに貴女も仮面を被っているのよ。本当の貴女は皇を独占したいのでしょう?ねぇ?」

彼女はいたずらっ子のような笑みで織音を見た。織音は顔を真っ赤にして反論する。

「わ、私はそんなつもりはないわ!」

言葉で動揺しているのが丸解りだった。彼女は気にせずに喋り続ける。

「うふふ。仮面という便利ね。真実を隠し嘘で現実世界を生きる為に必要なモノ。貴女もまた皇みたいに生きているのよ?」

彼女は言葉攻めだった。織音は苦しそうな表情で構えていた。認めたくないけど、それは嘘であるという事と皇を思う余りに独占したい気持ちがあるという事。
この二つの気持ちが織音を襲っていた。精神的に追い詰めている。真実なので変えようがないのだ。

「‥‥まぁ、貴女をイジメルのはここまでにしてと。‥‥‥本題に入りましょうか?うふふ。」

彼女の雰囲気がガラリと変わった。殺気が更に増してイメージマテリアライズを出現させた。もちろん、織音と同じである。

「‥‥いくわよ?」

彼女がそう言った瞬間、音も無く姿を消した!織音は構えを本気モードへと変えた。あの少年の時と同じ構え。
織音は周囲を警戒しつつ、ふと思った。

《‥皇が“真実”を教えてくれるじゃなかったの?‥‥解らない事だらけ。》

織音は心の中で呟いたのだが、彼女が答えた。

「言ったでしょう?私は貴女よ。貴女の知らない事も私が知っているの。‥‥貴女の“想い”を見せてもらうわ!」

彼女の姿が織音の背後から現れた。織音は動揺せずに対応した。先を読んでいたようだ。織音は左手の剣を大きく振り切る。
彼女の姿は残像だった。が、織音の左側にいた実像の彼女は剣で受け止めた。

〈ギィン!〉

彼女は余裕の笑みだった。また、姿を消す。

「やるわね。‥‥今の一撃で解ったわ。貴女の想いは本物ね。」

彼女の声は響いているので、どこから言っているのか解らない。織音は真剣な表情で喋った。

「私は貴女。解るでしょう?もう嫌われたくないの。だから、教えて。私に隠された“真実”を!?」

だが、彼女は答えなかった。教えてほしかったら私を倒しなさいという事なのだろう。
織音は諦めたようで、目を閉じ精神を集中し始めた。髪の色が変わる。本来の青っぽくなる。本気の戦闘モードのようだ。


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