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fantasy ability
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reality ability‐第8話‐刻印・【真】‐-8

「‥‥うふふ。本気ね。さぁ、いくわよ?私は手加減しないわよ?」

そう言った彼女がまた姿を現した。次は前後と2体だった。織音は両手の剣で斬る。当然のように2体とも残像だった。
織音は続けざまに右手の剣を自分の左側に振り切った。実像の彼女はやはり剣で受け止めた瞬間に消えた。剣の音が鳴ったので間違いない。
織音は左手の剣を振ると当時に3体の残像が現れ消えた。織音の攻撃は緩む事なく続く。
織音が先読みが当たっているようで、虚像の彼女が次々と瞬時に現れては消え、現れては消えを繰り返している。
だが、いつになっても実像は現れなかった。織音もその事には気が付いていた。しかし、迫(せま)り来る虚像たちの攻撃で隙が作れなかった。
暫くの間、織音は攻撃を防ぐ事しかしなかった。しかし、意を決したようで右手の剣を前に突き出すとその場で回る。よって、僅かだが隙が出来た。
織音の次の行動は意外性が高かった。左手の剣を投げたのだ。剣は迷いなく虚像と虚像の間を一直線の軌道で進んでいく。
すると、剣の目の前に人影が現れる。実像の彼女だ。その剣の事を察知していなかったのか、はたまた織音の行動が速かったのか解らないが彼女はまだ気付いてなかった。
しかし、彼女は気付いた瞬間、瞬時に対応する。閉じていた目を開けると微笑むように笑顔になる。まるで目の前の剣が面白いように。

〈ギィィン!!〉



織音は投げた剣の方向を見ていた。彼女からの攻撃が途絶えたのだ。虚像たちの攻撃がピタリと止まり、一瞬にして数十体の虚像たちが消えた。

「‥やるわね。危なかったわ。」

彼女は無事だった。織音は振り返ると驚く。

「‥その鎧は‥イメージマテリアライズ?」

そう、彼女は鎧を着ていた。織音はその鎧の事をイメージマテリアライズと言った。

「‥‥ええ。うふふ。貴女はイメージマテリアライズは攻撃型しかないと思っていた?」

彼女からの殺気は感じられない。それは織音の髪と瞳の色が戻っていたからだ。織音は彼女からの問いにウンと頷いた。

「‥それはこの鎧を使わせたら勝ちという皇の思惑よ。‥‥これは“愛の型・守想の鎧”。ありとあらゆる攻撃からある程度守るわ。」

彼女は両手を見せた。そこには織音が投げたであろう剣が見事に粉々だった。正にある程度に対する鉄壁と言えよう。

「‥‥凄いわね。」

織音の素直な言葉だった。感心しているし、少し見とれていた。すると、彼女は鎧を消した。

「‥‥うふふ。これは貴女にも使えるわ。‥‥可能性を手に入れた貴女ならね。」

彼女からの雰囲気が変わる。それは別人の雰囲気だった。いや、完全に別人の姿になった。
織音のような少し長くて黒い髪。絢音のような若さがある顔。少し膨らみがある胸。‥‥見た目は若い。が、見た目では解らないのが年齢。


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