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fantasy ability
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reality ability‐第8話‐刻印・【真】‐-15

「‥貴方にも簡単に出来るでしょう?まぁ、今のままじゃあ無理かも知れないけど。でも、貴方の本気は“無限”。私の‥‥あら?」

彼女の表情に変化はなかった。しかし、腰が砕けたようにヘナヘナとその場に座ってしまった。どうやら、織音が動揺したのが身体に影響したらしい。

「‥‥いい。それ以上喋るな。でないと、今から殺しに行く。」

皇希は平然とした表情で言った。皇希なら余裕で出来そうだ。彼女を殺せるかは解らないが‥。

「‥皇!やめて!維蕪さんは貴方の‥っ!?」
「貴方の‥‥。‥なんだ?織音?その言葉を言ったら織音とて容赦はしないぞ?」

織音が身体を動かすと同時に皇希の幻想具現化は織音の顔をかすめていた。その表情からは言葉通りの殺意が織音へと確実に伝わっていた。

「皇!‥‥。」

織音は必死になっていた。そこまでする理由が解らなかった。

「維蕪の思った通り。‥‥知ってしまったのだろう?それが俺の“真実”。“イレギュラーの原点”だ。」

皇希は部屋から出ようとしている。織音はその場に考え事をし始めた。‥‥いや、違った。

《‥維蕪さん。私はどうすればいいのですか?》

脳内での会話だった。維蕪がまだ居るようで織音の問いに答えた。

《‥貴女は“全世界”を操れるのよ。だからね、貴女に“真実”を知ってもらったの。私からのプレゼントよ。》

維蕪はそう答えた。皇希の“真実”を知っているという事はかなりの物知りなんだろうか?

《‥‥‥。私は弱いのに皇が私を求めている理由が解りません。》

織音は自分に自信がないように言う。それは皇希の想いに応えられない自分が今の現状だと織音は思っているのだろう。

《‥‥‥。貴女は貴女のままでいいのよ。それが彼を安心させているから。》

維蕪は織音をまるで自分の子供かのように慰めるように言った。続けざまに喋る。

《それに貴女は自分が思うほど弱くないから自信を持ちなさい。彼もそう望んでいるわ。‥‥帰るわ、じゃあね。》

織音の身体から淡い輝きが放たれた。維蕪の心身詠唱が解かれたのだろう。織音は混乱していた。当然だ、色々な情報を処理出来てないのだろう。
皇希はいつもと同じ表情だった。何を考えているのか解らない。だが、いつもと違った事もあった。左手で左目を抑えるように覆っていたのだ。
その行動の理由は解らない。すると織音が皇希の行動に気が付いた。


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