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fantasy ability
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reality ability‐第8話‐刻印・【真】‐-16

「‥‥皇?何をやっているの?」

皇希は左手を動かした。左目は普通の瞳であった。痛みで抑えた訳ではないようだ。

「いや、別になんでもない。」
「ちょっと‥!」

皇希はそう言った。そして、織音の言葉を無視して扉を開けた。そこには零歌が立っていた。皇希は目を閉じた。手を頭に当てた。

「‥‥“ここから去れ”というのは、部屋を出れば効果が無くなるわ。」

零歌が言った。皇希は‘その通りだ。’と言い放つ。皇希は珍しくミスをしたようだ。零歌は織音を見ながら喋る。

「織音さん。その様子だと記憶が戻ったようね。それと刻印【愛】の力に目覚めたのね。」

零歌は険しい表情だった。何がそうさせているかは解らない。

「‥‥零歌。奴に伝えとけ。“維蕪”‥。これで奴なら解るだろう。」

皇希が冷たく言い放った。表情も冷めている。その雰囲気は冷酷。

「‥‥解ったわよ。彼に伝えとくわ。‥‥じゃあ。」

少し悔しげな零歌だったが、皇希の表情で何かを悟ったようで未来の皇希の所へ帰るようだ。





‐数分後、センターサークルのとある場所‐

センターサークルの裏道だろうか。そこに2つの影があった。統神 皇希と零歌である。

「‥‥何故、戻ってきた?」

統神 皇希の鋭い眼差しが零歌を突き刺していた。それに言葉も刺々しくなっていた。

「‥‥だって、彼が恐かったから。」

零歌は怯えていた。統神 皇希の恐怖にも勝てないのだろう。

「‥‥“維蕪”。こう言えば貴方には解るって。彼は言っていたわ。」

零歌は皇希から言われた事を言った。統神 皇希はその二文字を聞くと目を見開いた。同時に威圧感も完全になくなる。
彼は酷く動揺をしている。よろけて転んでしまったのだ。その様子を見た零歌が更に驚いていた。

「‥‥はは。はっはっはっ‥‥そうか、‥‥そうなのか。だから、奴は“イレギュラー”なのか。」
「‥‥‥??」

統神 皇希は納得していた。が、零歌には解らなかった。

「‥‥行くぞ。零歌。この場所には“サガシモノ”はなかった。」
「‥‥解ったわ。」

零歌は解らないままであるが統神 皇希の言葉により考えるのを止めた。統神 皇希と零歌の2人はその場を一瞬で消えていった。


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