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fantasy ability
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reality ability‐第8話‐刻印・【真】‐-14

「‥‥皇は何を求めているの?隠し事をしないで。言って!」

織音は強気の態度で問い掛けた。皇希の望みを知りたいようだ。誰一人として知らない皇希の欲。それは信頼されている織音すら解らない事だった。
いや、司義莉と凰輝は知っているような態度だった。しかし、本当に知っているような事は言わないために確実性は不明である。

「‥言えない。それは俺の?唯一の欲望?だから。」

皇希の表情は織音を睨み付け、強気の態度を破壊し恐怖心を煽るようなモノだった。?絶対?に教えない態度の皇希。

「どうしても?‥‥なら、私は貴方を愛しながらも憎むわ!」

威圧感に圧倒されながらも強気の態度を維持している織音。それが織音の今の皇希への“愛”の言動。

「構わない。俺の行動はこの“運命”を変える。俺は“イレギュラー”だから‥‥。まだ全てを受け入れた訳じゃない。どんな事を織音にされても俺を変える事は出来ない。」

皇希は幻想具現化を出した。形状がいつもと違っていた。剣なのだが基本の剣なのだ。ゲームで一番最初に主人公が手にするような剣である。


「‥‥‥」
「‥‥‥」

二人は見つめ合う。冷静を通り越して冷酷な皇希とそんな皇希をただただ無垢に愛している織音。

《‥‥いつもと違う幻想具現化。あれから放たれている雰囲気は“真の型”?確証が欲しいわね。》

織音もそう思って幻想具現化を出す。形状はいつもと同じの双剣。“愛の型”が使えるかは不明。そして、立ち上がり構えた。

「‥‥‥」

皇希はそれを見た後、違和感を感じたようで幻想具現化を凝視する。何を思ったのか、フッと軽く笑った。

「何が可笑しいの?」

織音は当然問い掛ける。構えは本気の形で攻撃を受ける準備をしていた。

「いや、その双剣が若干違っているからな。」

皇希の言葉は意味が理解出来なかった。織音の双剣はいつもと同じだ。違いなんてないのだが‥‥‥。

「‥‥‥。影響かも知れないわ。“愛の型”というものがあるから。」

織音は幻想具現化の事を言い放った。その瞬間、皇希の表情は冷酷の眼差しとうっすらと笑っているように見える口元へと変わった。
何故、皇希の表情は変わっただろうか?最近の皇希は冷静を通り越して冷酷な態度になっている。まるでこの出来事を壊すように‥‥。
それはそうと次の皇希の言葉で今の表情の理由が解った。

「‥維蕪。お前は呼んでないのだが?因みに、織音は見ているし聞こえているのだろう?」

皇希の眼差しが一瞬、鋭く刺すように突いた。対する織音‥‥維蕪はさも当然のように振舞い始めた。

「ふふふ。‥流石ね。私の事が大嫌いな貴方に逢いたくてね。この娘に残しておいた残留思念に心身詠唱で会いに来たの。‥‥本体は“第四世界、無封界(むふうかい)”にいるわ。」

維蕪の本体は第四世界、無封界に要るらしい。‥‥世界を越えての幻想の力の影響があるという事はかなりの魔力を持っているようだ。
彼女は更に衝撃的な発言をする。それは彼女の中にいる織音を動揺するような事だった。


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