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ジャム・ジャム・ジャム
【SF その他小説】

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レッド・レッド・レッド-28

第8章 聞いていないぞ!?

「でッ!」「あらッ!」「わッ!」
落とし穴にはまって暗い底へと落ちて行った三人は、急に辺りが明るくなったのと同時に地面に着地した。
着地した、とはいっても、それぞれ腰や背中からの着地である。
それでも何故か痛みはなく――エイジは思わず天国にやってきてしまったのかと、閉じていた目をおそるおそる開く。
「な……何だ、此処は」
そこは遺跡とは縁遠い、大小のコンピュータが無数に積まれた銀色の部屋だった。
しかし部屋というにはあまりにも広い空間である。
身体を起こし辺りを見回していると、彼の背後に声がかかった。
「ようこそ」
「!」
声の方を振り向くエイジ達。その声の主は、髭を生やした老人であった。
痩せた身体に白衣を纏い、足を組みながら大きな椅子に腰をかけている。
科学者といった印象だ。
(幻か、これは……? 俺達は確か遺跡に……)
頭が混乱する。
エイジは傍らのダナとジャムと顔を見合わせてから、考え込むように顔を俯かせて腕を組んだ。
そこで彼は、自分の立っている下が柔らかなマットレスであることに気付く。
弾力のある柔らかで肌触りのよいマットの上、エイジは更に困惑したように老人を見やった。
「こ、此処はどこなんだ?」
「ようこそ、我が農園へ」
予想だにしない老人の言葉に、三人が素っ頓狂な声を上げた。
「「「農園!?」」」
ダナとジャムは辺りを見回し、やはりエイジと同じように困惑した表情を浮かべる。
老人はにいっと、歳にしては悪戯っぽく笑って言った。
「此処はリベルの農園。そしてわしはリベルの領主――サイファ・リベルという」
「?」
「まあ、サイファ博士とでも呼んでくれたまえ」
「???」
三人は混乱するばかりであった。
何せ彼らは今の今まで遺跡にいた。薄暗く湿っぽいディオニシスの地下遺跡である。
それが、目を覚ましてみればコンピュータに囲まれた、遺跡とは正反対の部屋だ。おまけに目の前の老人は科学者よろしく白衣を纏っている。
それにもかかわらず、此処は農園で、彼は領主だという。その上博士と呼べ、とは。
「ちょ、ちょっと待ってくれ。農園って」
「おめでとう!」
エイジが言うのを遮り、サイファ博士は手に持っていたクラッカーを鳴らした。
クラッカーから派手な音と共に紙吹雪が散った。
「君達は、わしのダンジョンを攻略した初めてのトレジャーハンターなのだよ」
「「「わしのダンジョン!?」」」
驚く三人をよそにサイファ博士は椅子から立ち上がり、彼らの周りを歩きながら言った。
「もしかして遺跡をつくったのはサイファ博士?」
ジャムが問うと、いかにもと博士は言って顎を撫でた。
「つくったって、このでかい迷路のような遺跡をか!?」
「そうだよ。アトラクション満載で楽しかっただろう! わしも、君達の姿を楽しませてもらったよ」
サイファ博士の言葉に、再びエイジが素っ頓狂な声を上げる。
「み、見てたってのか!?」
「ははは、実はね」
博士は言い、ちらりとエイジを見やってから、確認するように頷いた。
「君はエイジ君で」
名前を呼ばれ、どきりとするエイジ。博士は更に傍らのダナに目をやった。
「君はダナ君だな。そして――」
ジャムの前に立ち、博士は優しげな笑みを浮かべる。
「ジャム君、といえばいいのかな。チュール・コンフィ・ド・マーマレイド嬢」
ジャムは驚いたように目を丸くして、まじまじと博士を見やる。
彼は笑みを湛えたままで三人に言った。


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