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ジャム・ジャム・ジャム
【SF その他小説】

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レッド・レッド・レッド-22

「サインが欲しいと言いたいとこだが、あんたを人質に身代金吹っかけると結構稼げそうだな」
「此処は抵抗を止めた方が、身のためかもしれませんよ」
意外とミーハーらしくスカーレットはそう言ってバラ鞭を突き付け、ルビィは笑顔でじゃら、と鎖を鳴らした。
そしてレッドは腰に下げた一本鞭をぴしゃりと鳴らして言う。
「お前達のおかげでようやく此処まで辿り着けた」
「あとはその杯に赤き雫を捧げるだけですぅ」
「赤き雫、つまり生き血ってことだろ」
スカーレットの言葉にレッドとルビィが頷く。
レッドは再び鞭を鳴らした。
「そして――」
言いながら、ジャムに向かって鞭を振るう。
「生贄と言ったら生娘に決まっているだろう! あたし自ら、杯にお前の生き血を捧げてやるよ!」
「!!」
鞭が肉を打つ音が遺跡に響いた。
ジャムは硬く目を瞑り、襲い来るだろう痛みに備えていたが、しかし彼女に痛みが訪れることはなかった。
おそるおそる目を開くと、そこにはジャムをかばうエイジの姿。
そして、その先にエイジをかばうダナの姿があった。
ダナのジャケットの二の腕部分が僅かに裂けていた。
「ダナ!」
思わずジャムが叫ぶ。しかしダナは平気よ、とウインクしてみせた。
「ボディガードだものね」
「くそ、いいとこ持ってくぜ。お前は」
エイジは苦笑して言い、ジャムに自分の上着を渡した。
「着てろ。奴ら得物が鞭や鎖だし、それで少しは防げるだろ」
「あ、ありがと」
大事なジャケットなのに、というジャムの躊躇いがちな言葉に、エイジは口ごもりながら言う。
「お、お前が怪我すると、あのリムがうるせぇからな」
そんな彼に、ジャムは小さく礼を言ってエイジのジャケットを受け取った。
「あんた達、こンなところでラブコメしないでよ!」
「だ、だだ誰がラブコメだよ、誰が!」
ダナが怒ったように声を上げると、エイジもその言葉に反応して言い返す。
「お前ら、仲間割れしてる場合か!」
レッドがだん、と地団駄を踏むと、ダナとエイジは視線を合わせて「一旦休戦」とでもいうように頷いた。
ダナは拳を構え、エイジは腰からオートマグを抜く。
「アタシはこの年増を相手するわ!」
「誰が年増だ!」
レッドがヒステリックな声を上げるが、ダナは余裕めいた笑みを見せて彼女に詰め寄る。
その強面に、レッドは思わず口元を引き締めた。


「海賊団とはいえ、女の子と戦いたくはないんだけどな」
エイジもスカーレットとルビィに目を向ける。
ダナがレッドを相手している以上、エイジは彼女達を一度に相手せねばなるまい。
しかし、妹達にその考えはないらしい。
「ルビィ、あたしはこの男を殺るぜ。お前はチュール嬢を捕まえな」
「姉さん達ったら、いつも美味しいところを持っていくんだから。わたしだって戦いたいですぅ」
スカーレットがバラ鞭を鳴らしながら傍らのルビィに言うと、彼女は不服そうに唇を尖らせた。
しかし姉達には逆らえないのか、仕方ないといったように肩を竦めてジャムを見やる。
ルビィの視線と鎖の音に、ジャムは身を強張らせた。
「ということだ、兄さん。折角三人ずついるんだからさ、スリーオンスリーで行こうぜ」
スカーレットの言葉に、エイジが口元を歪めた。
オートマグを構えながらジャムの前に立つ。
「いいや、俺ひとりでふたりいっぺんに相手をしてやるよ」
言って、スカーレットの足に向けて弾丸を放つ。
激しい衝撃がエイジの腕を襲い、彼は銃身がぶれたのを感じた。
弾丸はスカーレットとルビィの間をすり抜け、大きな音と共に遺跡の壁には大きな孔が空いた。


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