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ジャム・ジャム・ジャム
【SF その他小説】

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レッド・レッド・レッド-11

「俺はルー、相棒の名はガルー。俺と同じ狼の亜人なんだ。宜しく頼むよ!」
「わ、分かったから顔を近付けないでくれ。毛がチクチクする」
エイジが苦笑交じりにガルーに言うと、人狼ルーはそんな言葉など気にした様子もなく、テーブル上のジョッキに麦酒を注いだ。
「そうとなれば、どんどん飲んでくれ! 今日は俺が奢るよ!」
自らのジョッキにも酒を注ぎ、一気に呷る。
ルーは更に三人につまみを進めた。
「さ、さ。遠慮しないでくれ!」
顔こそ人狼であるがゆえに恐ろしい顔をしているが、悪い奴ではなさそうだ。
彼の言葉に三人は顔を見合わせると、揃って頷き、つまみのサラミに手を伸ばした。
刹那。
「……!」
ジャムが不意に後ろを振り返った。
辺りを見回し、首を捻る彼女にダナが訊ねる。
「どうしたの、ジャム」
「今、何か妙な視線を感じたような……」
言いかけて、ジャムは小さく首を横に振った。
もう一度辺りを見回すが、彼女と目が合う者はなかった。
もっとも、妙な視線とは単に気のせいだったのかもしれない。
「平気、気のせいよ」
そう言って笑ってみせると、ジャムは厚切りサラミを口の中へ放り込んだ。


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