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白日夢(はくじつむ)
【鬼畜 官能小説】

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白日夢・一 第二章: みどり編-6

(三)写真家

ホテルに着くなり、俺はミドリに対して全裸になるよう指示した。
「本当に又、頂けるんですよね。」
背中のジッパーに手を回しながら、ミドリは俺に問いかけてきた。
「あぁ、大丈夫だ。」
ポケットから八枚の札を、テーブルの上に置いた。ミドリの視線が、その札に突き刺さった。

「お前さん次第では、全部やってもいいんだ。楽しませてくれたら、な。さあ、脱ぎ終わったら、こっちに来るんだ。」
これで都合、十万円である。高い買い物ではある。それ程の価値が、この女にあるとは思えない。しかし大枚の金員をはたく遊びが、どれほどに面白いか、どれほどに人間の裏を見せるか、自虐的な思いが詰った遊びだ。

覚悟を決めたミドリは、おずおずと俺の前に立った。恐らくは初めてのことなのだろう、小刻みに体が震えている。俺は舐め回すように、ミドリの肢体を楽しんだ。あばら骨の浮き出ている体だったが、乳房の張りは保たれていた。くびれた腰やツンと上向いた尻が、俺の食欲をそそる。

”思った通りだ。”

思わず舌なめずりをしたくなる程だ。
”久しぶりの上物だ。ついてるぞ、俺は。しかし馬鹿な男だ、この女の夫も。上質の女だということに、気が付いていないのか。”
俺はミドリの正面を堪能した後に、後ろに回った。そしてミドリの腰に手を回し、なめくじが這うように手を滑らせた。両手でミドリの乳房を揉み上げながら、首筋に舌を這わせた。

”ビクリ!”と、体が強ばった。
「そんなに緊張しなくていいさ、取って食おうという訳じゃない。さあ、ここに座りなさい。」と、ソファを指さした。
無言のまま、ミドリは座った。隣に俺が腰を下ろすと、ミドリは少し体をずらした。俺はすかさずミドリの腕を掴むと、俺の膝の上に上半身を倒した。

「あっ。」
短い声を発しながらも、抵抗することはなかった。左手で後頭部を支え、右手で顎を押さえた。体の震えは、まだ続いている。顎の両側を指で押さえながら、口元をうっすらと開けさせた。真っ赤なルージュの中から、白い歯がのぞいている。

俺は舌先を入れ込むと、歯茎を舐め回した。だらりとしていたミドリの手が、自身の太股をしっかりと掴んでいる。俺は上下左右と舐め回した後に、ミドリの舌を求めて中に入れた。店では、あれ程に拒絶していたミドリだが、今は積極的に応じてきた。テーブルの上に置いた札が利いたようだ。

考えてみれば、これ程の屈辱はないだろう。レイプされる方が、まだしもかもしれない。己の意志に反した行為を、させられるのだ。肉体に危害を加えられるのではなく、強要されているわけでもない。拒否することは出来るのだ。しかし魔力を振りまく紙切れが、テーブルの上で光っている。ミドリの目に、しっかりと刻まれているのだ。

俺にしても、レイプまがいの経験はある。嫌がる女を力ずくで奪ったことも、ある。ふらりと立ち寄ったバーで、名前も知らぬ女を口説いた。あの時はカメラマンだと偽り、下着姿を撮らせて欲しいと懇願した。

「ヌード写真はイヤょ!」と言う女に、
「下着フェチ用の写真だから。」と、納得させた。あれは、ヌード写真家を題材にした小説を書くために、田坂に用意させたカメラを受け取った夜だった。写真を撮る為のカメラではなく、雰囲気作りの小道具のつもりだった。それが、功を奏したのだ。

幾ばくかの謝礼をするからと、口説き落とした。当時、某週刊誌に”あなたのおっぱいを見せて!”といった企画が掲載されていた時だった。その女もそのことを知っていたらしく、俺の虚言を信じたようだ。


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