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万華
【SM 官能小説】

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万華(その5)-2

ビシッ…

 鋭く重い音が空を切ると同時にその鞭が僕の尻肉を襲い、鈍い音が壁と天井に反響した。
 燿子は嗜虐の欲情に駆られたように手にした鞭を振った。

「あうっー!」
 その鞭は、これまで僕が受けたものとはまったく違う重たさと冷たさを持っていた。それは僕
の肌を刺しつらぬき、骨の芯まで伝わる痛みを与えた。
「どうかしら、新しい鞭の気分は…」
眼を細め、その鞭のしなやかな感触に満足するように燿子が囁く。さらに燿子は鞭を振り上げ、
容赦なく僕の背中や臀部に打ち叩くのだった。まるで細かく硬い棘のように、鞭の表面が僕の肌
を咬みしだくような鋭い痛みを与えた。

 ビシッー、ビシッ!

「あうっー、ひっ…」
僕は首をのけぞらせ熱っぽく嗚咽を漏らし、額に汗を滲ませる。黒く妖しい下着姿の燿子の
乱れた黒髪が首に絡み、毒々しい口紅が妙に鮮やかに感じられた。鞭を打たれる瞬間、僕の体が
強ばり、そして打ち据えられた後にすっと全身の力が抜けるのだ。それは肌を擦り、深くえぐる
ような冷たい鞭だった。
 やがて鞭は縦に振られ、勢いを増し僕の双臀の谷間に襲いかかる。
 バシッ!

 …ひいいっ、ああーっ…
 その激しい肉の痛みが僕の性欲を煽り、それは僕の骨の髄まで情欲にとろけさせるような甘美
な痛みだった。そして僕の肉棒が、再び少しずつ怒張し亀頭がしだいに湿り気を帯びてくる。
鞭が振り下ろされるたびに、僕の吊られた裸体が波打ち、そしてしなやかに伸びきると、体を
支える僕の手首に革枷が強く喰い込むのだった。

 あのとき…再会した喬史さんは、もう以前の喬史さんではなかった。
 いつまでたっても乾ききったお互いの体と萎えた性器…以前のように喬史さんと体を重ねる
ことに、僕たちの体はもう熱を帯びることはなかった。僕はその満たされない自分の喘ぎに
駆られ、喬史さんに鞭を求めたのだ。その苦痛によって僕の体の中からどこまでも純粋な肉汁を
搾り出して欲しかったのだ。
 嗜虐に駆られ、喬史さんは僕のその白い尻と太腿を鞭でいたぶり、僕が嗚咽を洩らし悶える
姿に、喬史さんは人が変わったように鞭を振るったのだ。

「まだ小さいわね…アキラさん」
燿子は小悪魔的な笑みを浮かべ、爪のたった指先で僕の充血し黒ずんだ肉棒を撫でた。

「気持ちいいでしょう…」
僕は股間にはっきりと燿子の細い指先をしっかり感じながら思わず声を上げた。燿子の指は、
肉棒の根本から僅かに生えた陰毛を掻き分けるように垂袋を撫でた。
「ほら、言ってごらんなさい…ボクのおち○ちんをもっと苛めてくださいって…」
 僕は喘ぐように小さく嗚咽を鳴らす。  
 その嗜虐に耽溺していくほどに燿子の白い首筋や胸元、そして下半身のその肌が艶やかな潤み
をもっていく。黒く透けた下着の中でその豊満な乳房の先がわずかに濡れたように滲んでいた。


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