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社外情事?〜気晴らしの酒と思わぬ睦事〜
【その他 官能小説】

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社外情事?6〜危機感認識の避妊知識・その1〜-8

「もしかして、そんなに俺が見てる内容が気になんのか?」
言語奇襲。突拍子もない問いかけに、誠司は思わずつんのめった。
「いっ、いきなり何言い出すっ」
「はっはっはっ、そりゃあ気になるよな。お前だって通る道だもんなぁ」
「だからってなんでそんな話になるんだよっ!」
口調が荒く、声が大きくなる誠司。対照的に健介は、彼を弄る話題に気付いたせいか非常に楽しそうだ。
「いやいや、恥ずかしがらなくていい。ちゃんと知らなきゃいけないことなんだぜ?それを知ろうとするのは決して悪くないと思うぞ?」
「お前、俺の事バカにしてるだろ」
「違うな。自分自身の無知を知ったからこその言葉だ」
そして急に真面目そうな顔で、誠司の鼻先にびしっ、と指を突きつける。
「いいか?こういうのはな、正確な知識を得ていないと大変な事になる。間違った知識のままやって、結果オメデタ、って場合もあるんだぜ?」
更に健介は続ける。
「そんなケースを防ぐために必要なのは、何よりも正しい知識。片方が間違っていた時はもう片方が指摘して、正してやる。そうやって正しい知識を補い合っていけば……」
言う内容には、確かに一理ある。

「安心して気兼ねなくやれる、ってわけだ」

だが下世話なたった一言で、全て台無し。にやけた顔と相まって、低俗な台詞に様変わり。
それに対し誠司がとった行動は、呆れ顔で健介を睨む事だった。
「……場所ってものを考えろ。でないと次は殴るぞ」
「まあそう怒るなって。下手するとパワハラ扱いされちまうぜ?」
しかし誠司が僅かな憤りを漏らしても、健介はへらへらした態度を変えようとはせず、おどけながら立ち上がる。のみならず、さっと腕を上げると彼の首を素早く捕らえた。不意をつかれた誠司は思わず、抜け出そうとしてじたばたもがいた。
「慌てなくても、後でお前にもちゃんと教えてやるって。楽しみにしてろってんだ」
だがあっさりリリース。
こっそり耳打ちした健介は、後は何も言わずデスクに腰掛ける。対する誠司は何か言おうかと思い振り向いたが、その時運悪く人が入ってきた。
「倉本課長、頼まれた資料を持ってきました」
巡り合わせが悪いと言うべきか、入ってきたのは他人。知り合いばかりの中ならともかく、部外者がいる状況でまで友人同士としてのやりとりを続けるのはまずい。
誠司は居住まいを正しながら、自席に戻る。そして密かにもう一つ溜め息をつくと、頭を仕事の思考に切り替えた。


場所は変わり、再び玲のいる社長室。
自席で玲は苦虫を噛み潰したような顔をしていた。
「っ……」
その原因は明確。朝と同じ頭痛だ。
断続的かつ不定期、そして突発的な痛みは予想外に辛く、普段のような集中力がなかなか保てない。また、そこから生じるストレスは頭痛によって、はっきりとした苛立ちに変わっていく。結果、些事に対してどうしても過敏になり、咄嗟の反応が意図せず刺々しくなってしまう。
(まずいわね。これじゃ悪循環になっちゃう)
新しく用意されたお茶をすすり、彼女は目を細めた。
額を押さえ、深く一、二度呼吸。しかし、苛立ちは収まらない。
ならばと玲は引き出しを開け、奥の方に手を突っ込む。その先にある袋の中から、思考の硬化や苛立ちを解消するのに一役買っている飴玉を一つ掴み、包みから出して口の中に放り込んだ。

そこへ響く、ノックの音。


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