投稿小説が全て無料で読める書けるPiPi's World

1・2・3
【初恋 恋愛小説】

1・2・3の最初へ 1・2・3 18 1・2・3 20 1・2・3の最後へ

3・2・1-1

一、

俺にはずっと好きな子がいる。一度告白されたけど、その時俺は恥ずかしくて上手く伝えられなかった。
俺、北原翔平、今年からS高に通うことになった。どうしてかというと、ずっと好きだった幼なじみの小西リコが、S高を受けることを知った俺はバカになるんじゃないかと思うぐらい勉強した。いや、勉強してるんだからバカにはならないけど…とにかく、俺はリコと同じ高校に通う事になった。
今日こそは言うぞ、絶対、話しかける!!
電車通の俺たちは今、同じ車両にいる。いや、正確に言うと俺は駅に先回りし、こっそり同じ車両に乗り込んだ…
早く起きた朝は必ず駅でリコを待つ。今日こそは話しかけようって心に誓いながら…
今日はすげーいいタイミング。
人も少ないし、知ってる人もいないし。
よし、まず挨拶だよな、うん、おはよう、か…
俺の鼓動は早くなり、手は汗ばんでくる。
まっ、まずはイメトレだ。
俺様<おはようリコ>
リコ<おはよう翔ちゃん>
俺様<どうせ同じとこ行くんだし、一緒に行こうか>
リコ<本当、うれしい翔ちゃん!!>
うおっっ完璧じゃんよし、頑張れ俺!!リコは真後ろにいる!!
振り向こうとした瞬間。
「あー、翔、おはよう。一緒だったんだー」
佐伯!?
同じクラスの佐伯涼子、サバサバしてて男っぽいから女にしてはしゃべりやすい。
佐伯、俺の後ろにいたリコに気づき言った。
「あっ、小西さん?おはよう」
リコ、顔をあげる。
「お、おはよう」
リコの笑顔…
かわいい!!
中学ではおさげだった髪を肩まで切ってて、その髪には天使の輪が出来ている。
髪、きれーだよなー…
俺、横目でリコの髪を見た。
うおっっ何和んでんだ!!っきしょー佐伯てめー覚えてろよっ邪魔しやがって!!
「ったく、ブス」
「え?何?」
「何でもない」
「機嫌悪っ」
誰のせいだ!!
駅から学校は歩いて五分。バス停が駅前にあるからバス通のやつとも駅で会う。
「翔、おはよう」
「おお」
同じクラスの高田、お調子ものでアホだ。
「あれ?俺邪魔?」
高田、俺と佐伯を交互に指さし、その指を最後に自分に向けた。
は?やっぱこいつアホだよな〜
俺、高田の横腹に膝蹴りを入れた。
「…っ」
横腹を押さえ唸ってる高田の横で佐伯が爆笑してる。
さっきまで、すぐ前を歩いてたリコは遙か彼方に行ってしまった。
この道、リコと一緒に歩きてー…
俺、小さくなったリコの後ろ姿を見つめた。
放課後、帰ろうとした俺は戸の前に立つリコを見つけた。
同じクラスっていいよな〜…そうだ、これは話すチャンスじゃん!!えと、まずはイメトレ…
俺様<ごめん、戸ふさいでる>
リコ<あっごめんね翔ちゃん>
俺様<いいよ、どうせだから一緒に帰ろうぜ>
リコ<本当、うれしい翔ちゃん>
やばいっっ完璧だ!!
ドキドキしながらリコに近づく。
「…ーリコちゃんが言ったんだよ」
リコの後ろに来たとき、リコの隣にいた時田サヤカの声が聞こえてきた。
「自分を変えたいって!!そのためには、恋愛するのが一番、そのためには、出会わなきゃね」
え…恋愛?出会う?なんだよそれ。
俺、足を止めた。
「土曜日、いいね」
時田、リコに念を押すように言う。
土曜日?それって…しかもリコが言ってた!?
俺、急に腹が立ってきた。
「ちょっと悪いけど、邪魔だからどいてくれる?」
リコお前、俺を好きだって言っただろ!!(いや…小四時だけど…)
「合コン?楽しそう。結果報告してね」
いつの間にか隣にいた佐伯がリコたちに向かって言う。
佐伯てめー、よけーな事言うな!!
「ねぇ翔、駅の向こうにおしゃれなカフェがオープンしたんだって行かない?」
佐伯、俺の腕を掴んで言った。
「行かない」
俺、佐伯の腕をはらった。
…あんな風に言うつもりじゃなかった。
あいつ…本当に合コン行くのか?合コンってアレだろ?王様ゲームとかしたり、ポッキー端から食ったりするんだろ?リコが…ほかの男と…
俺、リコが他の男に肩を抱かれてるところを想像した。
ありえねー!!絶対だ!!リコの肩は俺が抱く!!


1・2・3の最初へ 1・2・3 18 1・2・3 20 1・2・3の最後へ

名前変換フォーム

変換前の名前変換後の名前