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「ストロベリークリーム」
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「ストロベリークリーム〜Chocolate〜」-4

「かしこまりました。『トッピング』は何になさいますか?」

「あ、こ…」

言いかけてあわてて口を閉じた
まだ名前は聞いてないのに紺君って言うところだった…危ない

でも、私が紺君を指名するなんて変な感じかな…?
ってそんなの今更気にするなんて、どうしようもない

ほら、「チョコレート」って言うのよ、早く
…あぁもう、一通り悩むのは済んだはずなのに…

つい助けを求めるように紺君の方を見ると、紺君は穏やかに微笑んで…

「ねぇねぇ愁、『トッピング』は『チョコレート』にしてよぉ」

「何言ってるんだ、それはお客様が決めることだよ」

「ねーぇ、『チョコレート』でいいでしょぉ?」

紺君は私にせがむ様に見つめる

「あ…はい、じゃあ『チョコレート』で」

私は愁に向かって言う

「こら、紺。お客様、すみません。気にせずご注文下さい」

「えー『チョコレート』だってゆったじゃん!」

「こーんっ」

愁が紺を軽く睨む

「あ…あの、『チョコレート』でお願いします」

「よろしいんですか?」

「はい…」

「…分かりました。では用意が出来次第お持ちしますのであちらの部屋でお待ち下さい」

一見、『紺に押し切られてしょうがなく決めた』という風に見える

…なんで彼はこうなんだろう


部屋で待ちながら、見つめていたときのことを思い返した

見かけはわがままで小さい男の子に見える彼は、いつも回りを気遣っていた
明るく奔放に見える彼が、時折見せる大人っぽい表情に私は意味を感じていた
時々見える、どこか寂しげで哀しい顔も…

『トッピング』を『チョコレート』にするお客さんが来るたびに、胸が張り裂けそうだった
でも…私もその人達と同じ存在になろうとして、ここにいる…
…馬鹿だな

それでも、一度でいいから、触れて欲しかったの…

「おまたせしましたぁ」

紺君が明るく入ってくる


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