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【初恋 恋愛小説】

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そう、私は、もう、ふられてる…
ー六年前
小学四年生の私達はまだ仲がよくて、一緒に当下校したり遊んだりしていた。
四年生になったとたんにクラスの中で‘告白ごっこ’がはやり、私も友達に言われるがままに翔ちゃんに告白した。
「翔ちゃん、私、翔ちゃんが好き、だから…」
つき合って。そう言おうとした。みんなが言ってる言葉と同じ言葉…
「バカじゃねーのお前」
翔ちゃんは私が言い終わらないうちに私に背を向けた。
えっ……
私、思ってもみなかった。
だって、翔ちゃんは私と同じ気持ちでいるのだと、そう思っていたから…
「それから、その翔ちゃんってのやめろよ、恥ずかしいだろ!!」
翔ちゃんは私に背を向けたままそう叫んだ。
あの日から、翔ちゃんに話しかけるのが怖くなった。
五年生になり、クラスが離れた。それから、同じクラスになることは無かった翔ちゃん、今、同じ教室にいる……
あれから…市川君と会った、翔ちゃんのデートを目撃した日から十日が過ぎた。六月も半ばになり雨の日が多くなった。サヤカちゃんは何も言ってこない、って事は市川君、みんなで遊ぶって話、言い出せずにいるんだ。きっと…
この十日間、大きく変わったことが一つだけある…それは、…翔ちゃんと、よく、目が合うようになった……??…私の気のせい…だよね……
「リコちゃん、携帯持ちなよ〜」
昼休み、サヤカちゃんが弁当箱をしまいながら言った。
「携帯?」
「そうだよ、やっとカメラつきに変えたのに〜、面白い写真撮ったとき、すぐ見せたいじゃん!!」
携帯か〜…
今の所必要ないんだよね〜
サヤカちゃんが携帯を出したその瞬間、サヤカちゃんの携帯が震えた。
「わっっ!!びっくりした。メールだ。」
携帯を開きメールを読みだしたサヤカちゃん、突然私の腕をつかんだ。
「なっ何!?」
「市川からなんだけど、今度また、みんなで遊ぼうって!!」
サヤカちゃん、平気な顔してるけど声はうわずってる。
サヤカちゃん、かわいい。
「リコちゃん…行かない?」
合コンの時の私を見抜いてか、サヤカちゃんは控えめに私を誘う。
サヤカちゃん、私、サヤカちゃんの為に頑張るの!!
「いいよ、私も行く」
「本当!?じゃあ、とりあえずメール返しとく!!」
そう言ってサヤカちゃんはメールを打ちだした。
…携帯って…いいかも…
二人のやりとりを見て、うらやましくなった。その時…
「えーーっ翔、お前まだ携帯変えてねーの!?それ、マジありえねーし」
翔ちゃんの友達の声が聞こえた。
「だよなーやっぱカメラ付きだよな」
友達の言葉に翔ちゃんが反応する。
さっきまで携帯なんて必要ないと思ってたのに…
翔ちゃんの友達との何気ない会話だけで、携帯を持たない自分が憎らしくなった。
私も携帯を買おう……分かってる…携帯を買ったからって翔ちゃんに近づける訳じゃない。だけど、買わなきゃ…
私の世界は翔ちゃんを中心に回ってる……


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