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愛・地獄編
【父娘相姦 官能小説】

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愛・地獄編-2

とまぁ世間様には申し上げて参りましたが、今でこそ申し上げられますが、お嬢様は戦時中 "アカ"と呼ばれる国賊と、今で言う同棲生活を送っていたのでございます。とは言いましても、私自身好意を前々から持っておりましたので内心は喜んでおりました。たゞ、よもやその国賊の子供を身ごもっていることなど知る由もございませんでした。今にして思えば思い当たる節もございますが、何しろ終戦直後のことでごさいます。単なる早産と思っていたのでございます。
えぇ勿論、妻は死ぬ間際までそう申しておりました。が、私にはわかっているのでございます。知らぬ事とはいえ、そんな妻と十六年余り連れ添い、その娘を実の娘として育てたのでございます。



(三)

娘が十六の時でございました。
酒の酔いも手伝って、妻に手をあげてしまいました。生まれてこの方、そのような経験の無い妻にとってはショックでございましたでしょう。些細なことからの口喧嘩の末のことでございました。
“俺を虚仮にして!あの男の娘なんだろうがぁ!”
心の内で、叫んでおりました。

えっ、「どうして実の娘ではないとわかったのか?」ですと。
お話ししていませんでしたか、失礼いたしました。親の口から申すのも何でございますが、実に頭のいい子でして常に学年トップの成績でございました。器量も、私に似ず評判の娘でございます。おわかりでしょうか?私とは似ても似つかぬ娘なのでございます。更に、以前の御店の近くに住んでおられた方のお話では、あの同棲相手の男の面影があるとのこと。

そう考えれば、全く納得のいくことでございましょう。全く不釣り合いの私のような者に嫁ぐなどということが。娘のおらぬ所で、そのことを詰りましたのが、このお話の、ある意味では発端でございます。勿論、妻は否定いたします。しかし、否定されればされるほど疑念の心は確信に変わっていったのでございます。そして嫁ぐことを決意した理由が、「恩返しのつもりだった」と聞かされた折りには、”やはり”という気持ちで一杯でした。

結果、私たち夫婦の家庭内別居が始まったのでございます。食事の支度こそしてくれますが、私一人のわびしい食卓でした。娘は、妻に手をあげた私が許せなかったようで、敵意にも似た感情を持ったようでございます。やりきれない日々が続きました。次第にお店での時間が長くなり、食事も外で済ませるようになりました。”離縁”ということも頭をよぎりましたが、娘の通う私立高校のことを考えるとそれもできませんでした。・・・いや、本当の事を申し上げます。世間体を気にしてのことでございます。
私どものような和菓子屋は、家庭内のゴタゴタが外に漏れますと、たちまち売り上げに響くのでございます。考えてもみてください。ゴタゴタを抱えた職人の作る和菓子がおいしいはずがございません。実際、「味が落ちた!」と嫌みを言われたこともございます。

一年近く続きましたでしょうか、そのような地獄の毎日が。妻でございますか?さぁ、一日をどのように過ごしていたのか・・・。又、嘘をついてしまいました。実は、程なく寝込んでしまいました。いえいえ、私との事でではありません。心労からではございますが、以前から、時々寝込むことがございました。唯、今回は少し状態が悪かったようではございます。
当たり前のことでしょう、私を騙し続けてきたのでございますから。確かに、所帯を持ってからの妻は一生懸命頑張ってくれました。身を粉にして、という表現がピッタリくるほどでございました。今のお店があるのも、妻の頑張りのおかげもございますでしょう。しかしだからといって、私を騙していいとは言えますまい。二週間ほど寝込みましたが、床を上げてからの妻は、以前の妻ではありませんでした。


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