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万華
【SM 官能小説】

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万華(その3)-3

その部屋は、燿子の画廊の地下に続く螺旋階段を降りて行った重い鉄の扉の先にあった。
 衣服を脱ぎ全裸になった僕は、いつものようにゆっくりと燿子の衣服を脱がせる。
 儀式なのだ…燿子は、裸の僕に自分の衣服を脱がせることで自分の中に少しずつ嗜虐の欲情を
芽生えさせていく。
 僕はその蠱惑的な燿子の肢体を想像しながらも胸の鼓動を押さえ、白いブラウスの胸のホック
に震えるように指を触れる。胸元にのぞいた溢れるような乳房の深い谷間に、一瞬僕は唾を飲み
込んだ。まるで燿子のその薄い皮膚を剥ぐようにシルクのブラウス脱がせる。甘い肌の匂いが漂
ってくる。それからタイトスカートのジッパーをゆっくり下げる。燿子の脱いだ衣服がはらりと
床に落ちる。
 黒い透けたシースルーのキャミソールに包まれた胸は、燿子のねっとりと情感をもった雪白い
乳房の豊かな膨らみを持ち、すでにほどよい固さを持った尖った乳首をうっすらとその肌着に見
せていた。
 短いキャミソールを身につけた括れた腰まわりは、悩ましいくらい成熟した女の肉の輪郭を持
ち、その乳白色の肌にぴったりと吸いついたような薄く黒いショーツとガーターが、妖しく卑猥
な情感さえ漂わせていた。
 そして白い尻の割れ目に食い込むように沈んだ細い黒紐のようなショーツが、燿子の尻のすぼ
まりの淫毛を絡めているのだ… そのしっとりとした雪肌をもった張りのある臀部は、どこまで
も豊かな肉感をたたえていた。

 冷たい空気が漂うその部屋に窓はなく、剥げ落ちた高い天井の錆びたパイプからは、黒ずんだ
幾本もの鎖が滑車とともに不気味に垂れ下がっていた。灰色のコンクリートが剥き出しになった
壁につけられた壁灯の蜜色の光が、淡い翳りをもって殺風景な広い洋風の部屋を照らしていた。
 どこか消毒液の臭いがする赤いリノリウムの褪せた床には蝋燭の垂れた跡が点々と残っていた。
 そこは、どこまでも閉ざされた密室だった…。

「今夜は、久しぶりだからゆっくり苛めてあげるわ…」
 その言葉は、どこかに毒素を含んだ棘のような響きをもっていた。
 燿子はわずかに笑みを浮かべながら、衣服を脱いで全裸になって立ちすくむ僕に舐めるように
視線を這わす。そして僕の手首を後ろ手に捩り上げ、その細い手首に食い込ませるように革の手
枷を嵌める。冷たい革が僕の細い手首の皮膚を強く緊める。
 燿子は満足したように、僕の股間のうっすらとした淡い陰毛の中を掻き分け、その萎えて小さ
くなったペ○スに手を触れた。笠に包皮が被るように萎縮した僕の肉棒の先からは、わずかに薄
紅色の亀裂がのぞいていた。

「あいかわらず可愛いオチン○ンだこと…」
 燿子は、ふんっ…と僕の肉棒を鼻で軽蔑したように呟くと、ゆっくりと椅子に腰をおろした。
 黒い刺繍の透けたショーツの源には、薄い翳りをもった繊毛が漆黒の艶をたたえた濃密な繁み
を思わせ、その溢れるような縮れた淫毛の先が、ほんのりと湿ったような光沢を放っているよう
だった。
「いつものように、跪いて私のハイヒールを舐めるのよ…」
 燿子は、その黒いストッキングに包まれたすらりとした脚を組んだ。
 僕は言われるがままに燿子の前に跪き、その磨かれた黒いエナメルのハイヒールの爪先に額を
近づけた。細く締まった足首、そして妖しい刺繍がほどこされた網目の薄墨色のストッキングに
包まれた美しい脚だった。そしてその黒いストッキングと対照的に、どこまでもとろみを持った
潤みのある白肌のねっとりとした太腿が僕の欲情を誘惑していた。


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