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Life
【初恋 恋愛小説】

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Life-1

頭上に広がる満天の星空。ふと、あの光は何億年前の光だろうなんて果てない疑問が浮かぶ。
何億年、そんな莫大な時間の中、私が生きているのはほんな何十年。人間なんてそんなちっぽけな存在。

ならば何故人は生きるの?
たった数十年、何をしろというの?


「でね、目あってさー…」
「キャー!よかったじゃんっ」
高校での昼休み。友人らはピンク色の話に夢中だ。私には何ら関係ない話。
中庭に太陽の光が降り注いでいる。今日は晴れ。無性にあの青空に吸い込まれていきたいと思った。

「うわ!避けてっ」

突然の声に、皆は話を止めて声の方角を見た。

―パシッ
右手がジンジン痺れる。私の右手には今しがた飛んできたテニスボール。
「ナイスキャーッチ」
そう言いながら近づいてくる人影。
「相変わらず運動神経いいな、松浪は」
あんたに言われたくないわよ、と心の中で思う。
続いて男子が一人、走ってきた。
「すまん、松浪!」
どうやら投げた張本人はこっちらしい。私は「平気」という意味でふるると首を振る。
「堪忍な」
ボールを受け取ると、二人は頭をも一度下げて戻っていった。
水を打ったように静かな友人ら。それが次の瞬間、
「きゃあっ!」
この始末。
「宇祢(たかね)っ、手!手触らせて!」
私の手触ったってどうにもならないと思うけど…。ボール取っただけだし。
「あーやっぱり常盤くんカッコイイよねぇ」
常盤。ボールを取りに走ってきた方。
「えー、絶対谷崎くんでしょー」
谷崎。私に謝りに来た方。私にはどっちも一緒に見えるけどね。
「そういえば宇祢って常盤くんと小学校から一緒なんでしょ?」
うん、と私は頷く。だからさっき奴は『相変わらず』なんて言ったんだろう。あいつは小学校から水泳をしていて、賞ばかりとっている。去年はインターハイにも出ていたはずだ。だから奴には「運動神経いい」なんて言われたくないってワケ。
「いーなぁ」
どこが。
「ずっと同じなんてねぇ」
腐れ縁てやつでしょ。
私は再び腰を下ろし、弁当の続きを食べ始めた。
あ、そういえば谷崎の方の話をしていなかったっけ。
谷崎は人当たりの良い、明るい奴だ。高校入学と同時に関西の方から転向してきたとか。常盤と仲がいいらしく、いつも一緒にいる。
二人とも顔が整っており(私には理解不能)、スポーツもよくできるから女子の憧れの的なんだと。
へーって感じ。私は興味のカケラも無いから。
「宇祢って、いいなぁって人いないの?」
突然聞かれ、顔を上げる。友人みんなが私を見ていた。
「うん、いない」
キッパリ答える私。残念でしたー。


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