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万華
【SM 官能小説】

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万華(その2)-3

一瞬、銀髪の男は腰をガクガクと痙攣させると、女のような卑猥な呻きを洩らして、その亀頭
の裂け目からどくどくと精液を腹部に垂れ流し始めた。
 薄い液だった。粘りのない半透明の白い液はその独特の臭いすら持たなかった。そして男の腹
部を水のように流れ落ちた。
「あらあら、薄い精液ね…」
 あのとき私が呑みほした夫の精液に似ていた。あのころ私はすでに夫に愛人がいるのではない
かと少しずつ疑い始めていた。あのとき太くなった夫の亀頭から私の口の中に注ぎこまれた精液
でさえ、薄くわずかな量でしかなかった。夫はあのペ○スから蕩けるような濃い白濁液をきっと
どこかの女に注ぎ込んでいる…私はあのとき嫉妬という邪気に駆られつつあった。

 私はゆっくりと男の顔の上に跨った。まだ薄黄色の液を滴らせた割目を男の唇に強く擦りつけ
るように太腿を開き、秘丘の茂みを男の顔面に押しつけた。
「ほら、最後までちゃんと舐めるのよ…」
 男は放心したように息を切らせていた。私はその太腿で男の顔面を挟み込むようにして、しだ
いに強く濡れた股間と臀肉を男の頬に擦りつける。窒息させるくらいに強く股肉で男の頬を引き
締め、そのわずかに開いた柔らかい男の唇が恥骨に喰い込むくらい強い快感が私の背筋を走り抜
ける。男はそれに反応するように萎えた肉棒が、再びピクピクと小魚が撥ねるように再び頭をも
たげ始めていた。
「しっかりその唇で後始末をして、私の臭いを嗅ぐのよ…」
 男の眼が潤み恍惚とした表情を見せていた。男は私の繁みに覆われた淫部の下で、荒い鼻呼吸
をしながらも、その淫毛に付着した最後の尿滴までしゃぶり続けていた。


 まだ女子高生だった私は、あの男に排尿を強いられたあと、あの薄い膜で包まれたような淫根
で強姦された…。
 あの汚辱にみちた記憶はずっと私の心を侵食し続けていた。喬史との満たされない性生活、そ
して喬史の死を聞いても、どこか乾ききった醒めた私の膣の奥底で、再び男の性器に対する憎悪
と嗜虐心が蠢き始めていた。
 そしてアキラとの出会い…アキラは人の心に潜む淫猥な嗜虐心を煽り、凌辱されることを自ら
望んでいるような蠱惑的な肢体を持った青年だった。アキラによって私は再び熱い淫欲を取り戻
すことになったのだった。
 私はまるで嗜虐の淫魔に取りつかれたようにアキラの肌を嬲り、そのピンク色の肉棒に爪を立
て、甘い果実の饐えたような匂いを放つ精液を搾りあげていった。
 悩ましいくらいに淡い翳りをもつアキラの白桃のような尻の割れ目に、振り下ろされる私の鞭
の苦痛で嗚咽を洩らしながら尻を振るアキラ…その体液を指で掬い、私の皮膚に湿らせることで
私がどこかで求め続けていた蕩けるような痺楽の情欲を再び感じるようになったのだ。 
 美しい容姿をしたアキラの若く弾りのある裸体…媚びたような甘い瞳、そして何よりも喬史の
体液が滲みついたような肌の匂いに、最初は嫉妬と嫌悪感さえ感じていた。しかしあのアキラの
肌は溶けかかった淡い雪のように肌理が細かく、甘美な誘惑の妖艶ささえ漂わせていた。
 そしてその肌は、私の子宮の奥から情痴に狂わせるくらいの欲情を甦らせたのだった。
 アキラの乳白色の胸や太腿、そして可憐な花の実のような桜色の男根が、しだいに私の萎えき
った膣襞に嗜虐の澱んだ微熱を帯びさせていったのだった。
 あのとき淫虐の苦痛に呻き喘ぎながらも、まるで官能の情感に陶酔したようなアキラの体汁を
私は貪るように嗅いでいた。


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