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『深夜のコンビニ』
【OL/お姉さん 官能小説】

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『真昼の映画館』-1

「好きな人ができたんだ」

眠たい講義をなんとか乗り切った後の昼休み。田中啓一は真剣な顔でそう切り出した。

「何?いきなり…」

コンビニ弁当の焼き鮭を口に運びながら、隣りの席に座った高嶋遼が怪訝そうに応える。

「でも啓一が恋愛の話振るなんて初めてみたいなもんだよな。高校の時は野球以外のことに興味ないみたいだったし」

啓一の前に座ってメロンパンを食べていた富永猛が面白そうに振り返った。

「で?相手はどんな人なの?」
「バイト先の先輩…」
「年上かよ!ってゆーかお前この前バイト始めたばっかじゃん。一目惚れ?」
「一目惚れ…と言えなくもないけど…」
「はっきりしない奴だな」

隣りで黙々と弁当を食べ進めていた遼はお茶を飲み干すと啓一に視線を向けた。

「それで何だよ。その先輩と今どういう関係で、どういう方向に持っていきたいわけ?」
「…体から始まった関係が恋愛に発展することってある?」
「ぶっ!!」

猛は啓一の発言に飲んでいたコーヒーを思わず吹いてしまった。

「なな何言ってんだよお前!!」
「その発言には俺もびっくりだな」
「二人とも彼女いるだろ?アドバイスしてくれよ」
「いや無理だよ!そんな状況わかんねーよ!お前今まで恋愛経験ゼロのくせにどういうこと?」
「俺もちょっと興味でてきた」
「じゃあ最初から話すよ…」

啓一はそういうと小谷菜々子との一件をかいつまんで説明した。

「…というわけなんだ」
「…そんなエロ漫画みたいなことが現実に起こるとは…信じられないな」
「啓一お前いきなりすごすぎるぞ。しかも菜々子さんって…きれいなお姉さんの典型だな」
「俺後悔してるんだ。いきなりあんなことしちゃって…」
「まぁそんなふうに誘われたら仕方ないって。お前は悪くねーよ」

しゅんと肩を落とした啓一を慰めるように猛が言った。

「小谷さんは怒ってはなかったみたいなんだけど…」
「でもそんな状況から恋愛に持っていこうってのはかなり難しいんじゃないか?」
「やっぱりそうか…」
「その先輩はお前に特別な感情を抱いてるってことはまずないな。お前の話によると性格もサバサバした感じだし」
「もしかしたら彼氏いたりして」
「そんな…あ〜っ!こんな気持ち初めてでどうしたらいいかわかんねー!!」

二人のネガティブな意見に絶望した啓一は頭を抱えて机に突っ伏した。

「やけになるなって。とりあえずアドレスとか聞いて、デートに誘ってみたら?」

遼がそう提案する。

「そうだな。この間のお詫びですとか言って食事おごってみるとか。お前が軽い男じゃないってとこ見せてやれよ!」
「わかった…二人ともありがとうな…」
「礼はうまくいってから聞くよ」
「おい、早く移動しようぜ。授業始まっちまう」

時計をみた三人は慌てて次の授業に向かったのであった。


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