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異世界の放浪者
【ファンタジー 恋愛小説】

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異世界の放浪者 最終話-1

俺が物心ついた頃。


母親はガンだった。

ある日余命あと一か月と医者から先刻されたのにも関わらず、痛みがあるにも関わらず、俺に対して母親は笑っていた。まだはっきりとその顔は覚えている。


だがその笑顔は予想されてたより早く消えていった。


先刻から半月後だった。夜中に病院から母親の体調が急変したと電話があった。そして父親の立ち会い間もなくして息を引き取った。
夜中とゆう事もあり俺は寝たままで母親の最後にちゃんと立ち会う事が出来なかった。
俺は悔やんだ。最後に言葉もかけれずにいたことが。
だからそれから毎日仏壇に手を合わせ祈りを捧げていた。



「ごめんなさい」と謝りながら。


最後に言葉をかけれなかった償いだと思って…それはこの世界に来るまでもやっていた。それをやってない今。



死んでもなお母親は寂しくしてるのではないかと思ってしまう。

そして今俺の面倒を見てるのは再婚した母。つまり実の母ではない。少々ながら実の母のように接していたが…小さい頃の母親が今も頭の中から離れないでいた。





「……るさん…登さん?」
俺の体を揺すり、俺の名前を呼ぶ声。目を明けると耳をピクピクさせながら心配そうに俺の顔を覗き込むポポがいた。
「あのー…大丈夫ですか?うなされてましたけど…」
どうやらポポの頭を撫でてるうちに寝てしまい、あの時の夢を見てしまったようだった。悔やみ泣きじゃくってる俺の夢…。
「大丈夫だ…」
内心あまりいい気持ちでわないがそう強がって見せる。
ポポはなんか複雑そうな顔した。
「あのー…ご飯食べれますか?」
ポポは何か察したらしい。
「あー…食べるよ」
そう言ったものの食べ物が喉を通る感じがしなかった。取りあえず立ち上がり座ろうと椅子に手をかけた時だった。不意に足に力が入らなくなり地面に俺は倒れ込んだ。
「えっ!?ちょ…のぼ……」
次第にポポ声は遠のいていき意識が無くなっていった。





―ホワーン…ホワーン…
目を覚ました時にはベットの上で、額には濡れたタオル。胸のあたりを白い光が音をたててピカピカと光っていた。
「あっ!気がつきましたか?」
白い光を出してた主はポポらしく、俺の胸の前に手を翳していた。
ポポは目を覚ましたことに気がつくと翳すのをやめ、手をブラブラ振った。すると光はロウソクの火を吹き消したかのようにすぐ消えた。


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