投稿小説が全て無料で読める書けるPiPi's World

「B×バレンタイン」
【純愛 恋愛小説】

「B×バレンタイン」の最初へ 「B×バレンタイン」 3 「B×バレンタイン」 5 「B×バレンタイン」の最後へ

「B×バレンタイン」-4

隣の隣の教室。
「ゆ〜う〜か」
「舞〜」
「…まだ?」舞がこそっと聞いてきた。
こくっ。黙って頷いて。そのまま机につぶれちゃった。
「どした〜」
舞が前の席に座って、のぞきこんできた。
「なんか……かずの機嫌が悪い…。機嫌というか、反応が無い、微妙に避けられてるっぽい…」
泣きそうで、顔が上げられない。こんな事で泣いてなんかいられないのに。
「そっか…優花ぁ」
「ん?」
「はい」
手の上には、チョコが一粒。
「辛いときは、チョコが効くんだよ。もしかしたら、木村君もなんか悩んでるだけかもよ」
「…ありがと。よし、がんばらなきゃね」
まだ、緊張して全開では笑えないけど。放課後が勝負だ!


放課後が勝負…って言っても、部活終わるの待つしかないよね。あ〜、でも、部活の後は友達もいるはずだし…
舞が、伊藤君に頼んであげよっか、って言ってくれたけど。断った。
これだけは、私が動かなきゃいけない。直送で届けたい。
う〜ん…かずが一人になる時間…
よし、地元の駅で待ち伏せ。部活が終わって、真っ直ぐ帰って来て…うん、6時半に駅にいれば間に合うはず。それまでは駅前の図書館にいればいいし。
よし、帰ろう。

俺は、部活に向かう途中。げた箱にいる優花を見かけた。なんだか、すっきりした顔をしたようにも見えた。うまくいったのかもな……


その後のことは部活も、帰り道も良く覚えてない。
なのに。今なぜか、優花が横にいる。図書館にいたとか?なんだ?偶然ってわけではなさそうだし……まさか……

「お届け物が、あってね」
そういうことか。
手を出す。
「あ、公園行こう!歩きながら出しにくいし」
渋々優花に着いてく。
公園に着くと、優花は俺をベンチに座らせて、目の前に立った。
目の前に突き出されたのは2つのラッピング。

かずの前に、チョコを出した―2つ。
かずが聞いてきた。「誰と誰から?」
「あのね………あたしから。大丈夫、‘こっち’はおなか壊さないから、はいっ!」無理矢理押しつけた。
かずは何やら考え込んでる。
「“これ”は腹こわすのか?」
反対の包みをじっと見てる。
「…うん」
「何入ってんだよ、おいっ!」
「気になる?」
「…おう」
「じゃあ、そのチョコ食べるか、私と付き合ってくれるなら教える」ふざけんなって言われそうだけど、これは賭。
「分かった」
かずはそう言ったとたん、バリっと破って食べ始めた。


「B×バレンタイン」の最初へ 「B×バレンタイン」 3 「B×バレンタイン」 5 「B×バレンタイン」の最後へ

名前変換フォーム

変換前の名前変換後の名前