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「B×バレンタイン」
【純愛 恋愛小説】

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「B×バレンタイン」-2

仲野 舞宅。
「さあてっと。」
木村君の方はどうかな?孝君に聞かなきゃ。
「もしもし、孝君?こっちはねぇ、さっき優花が帰ったとこだよ。」
「お〜。」
「木村君は、どんな感じ?」
「あいつなぁ…、好きな子の話とか逃げるんだよ。優花ちゃんのこと、気になってるのはバレバレなんだけど。なんか、最近、溜息増えたみたいだしな…」
「そっか。明日はちゃんと見守らなきゃ!」
「それはいいんだけど、舞さん?俺の分忘れてないよね?」
「………」
「おいっ!」
「じゃあね、おやすみ〜」危ない危ない。明日のお楽しみだもん。私も早く寝なきゃ。


木村和良宅。
ふうっ………
最近、やたらとため息が増えた。これもみんな、優花のせいだ。
数日前、手作りお菓子のコーナーで真剣に選んでる優花を見つけちまってからだ。
今までのバレンタインは、誰にもやらなかったのか?そういえば言ってたっけ……「なんで?あたしは義理チョコあげない主義だも〜ん。3倍返しなら、あげるけど?」って。なんか、つまんなくて、売り言葉に買い言葉。
「ふ〜ん、まぁ、腹壊すようなもんは作るなよ」
「ひどいっ!家庭科部の実力を知らないな?」
「いや、味というか、変なもん混ざってそうだよな」
「変なもんって…普通は愛情でしょ」
「だから、腹壊すんだろ、消化不良で」
「はぁっ…」
「…けど、俺は絶対腹こわさないけどな」
「あれ?なんか言った?」
「いや、ほら急がねぇと」………

あんな風に言ってた優花が作るんだ。本命だよなぁ。誰にやるんだ?知ってるやつか?
別に優花が誰にやろうと、関係ないか。あいつは女じゃねえし………俺も男扱いされてねぇ。
あ〜、もうっ。何考えてんだ、俺は。いい加減寝るぞ………


それぞれの想いとともに、バレンタインはやってくる……

大沢優花宅。
今日こそは、今年こそは、素直にならなきゃ。
いつもより丁寧にブローしながら、言い聞かせる。朝からドキドキが止まらなくて、いろいろ作戦を考えようとするんだけど、何にもまとまらないよ。どうしよう、いつ渡せるかな?
ふっと時計をみる。きゃぁ〜!トリップしてる間に、遅刻ギリギリ。せっかく早起きしたのに!結局走らなきゃ。慌てて家を出た。



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