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陽だまりの詩
【純愛 恋愛小説】

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陽だまりの詩 14-2

***

ゆっくりと奏の部屋へ向かう。
今日は美沙も一緒にいるらしい。

お父さんとの一件以来、当然、奏とは仲直りしていつもの楽しい日常を送っていた。


さて、今日はどんな楽しいことが待っているのだろうか。

そんな期待半分、不安半分の状態で病室の扉をノックした。


「よう」
「あ、兄貴いいところに来た」
「春陽さん、こんにちは」
「いいところ、ってなんだよ」
俺は美沙が座っていた折りたたみ椅子に座る。
美沙はベッドに上がり、奏と隣り合わせに座る。
三人でいるときのお決まりのポジションだった。

「実は、三人でハイキングに行こうかと思いまして」
ハイキング?
今の奏に山登りなんてできるのか?
「ってツッコミなさいよ兄貴、何スルーしてんの」
「…いや、一瞬本気かと思ったがやっぱり違うのか」
「当たり前じゃない」
「すいません、真面目に間違えましたがピクニックです」
本当にギャグじゃないのか…
奏は相変わらずだな…
「まあギャグはいいとして、ピクニックって、この寒空の下か」
「昼間はまだ暖かいじゃん」
美沙はぶすっとしている。
俺が冷静過ぎてつまらないのだろう。
まあさっきまで考えていたことがことだからな。冷静にもなる。

「…本気だな?」

でも、やっぱり俺は絶対に否定しない。

少しでも楽しい時間をこいつらと共有したいから。

「兄貴ならそう言ってくれると思った」
「やっぱり春陽さんは春陽さんですね」
にしし、と不敵に笑う美沙と、えへへ、と暖かに笑う奏。

俺は本当に幸せだった。


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