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太樹と紀久
【同性愛♂ 官能小説】

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太樹と紀久2-1

 「大丈夫、先っぽさえ入れば後は楽になる。キク、力入れるなって。その方が楽だ」
 床で脚を開いている紀久のツボミに、何とか自分の昂ぶりを押し込んでしまおうと悪戦苦闘しながら修也がいう。そう聞くと、経験のない太樹は、そういうもんかなと思ってしまう。にしても...「なんでお前そんなこと知ってんの?」
 「ネット小説で読んだ」。自信満々だ。
 太樹は半信半疑だったが、実際、修也の先端の太い肉が入ってしまうと、紀久は黙り込んで、痛い、痛いとはいわなくなった。諦めに境地に達したのかもしれないが、美しい顔は相変わらずしかめている。こんなときでも男前は男前だ―太樹はつい見惚れてしまう。
 「入った」。修也の得意気な声が響く。あこがれの太樹に背後から抱かれながら、紀久はとうとう別の男に「初釜」を許してしまった。

 学校帰り、久しぶりに3人で太樹の家に来て、また無修整のディスクを見るだけのはずだった。今回は保健室もの。彼らの通う男子高では保健室の先生も男だったが、画面に映っている先生は、まぶしいような妙齢の女性だった。太樹と修也は、さっさと下半身裸になって、ソファに座って自分のものをいじり始める。紀久はお堅いところがあっ て、自分から脱いだり、人前で自分のものをしごいたりということが、どうしてもできない。太樹がしごくのを盗み見て、前はとっくに立っているのだが。

 そんな紀久の様子に気づき、太樹は自分の脚の間のソファに座らせた。後ろから手を回し、脱がせて、前の膨らみをいじり始める。股間を紀久の背中にいやらしくこすり付けて、自分のものも刺激する。修也は、初めて紀久の大きく硬くなったところを見て喜んだ。軟らかいのなら、トイレでのぞきこんだことがあるが 。
 「じゃーん」。修也が、どこから入手したのか潤滑剤を取り出し、たっぷりと自分の手に注ぎ落とす。床に膝をついて紀久の脚の間に割って入り、いきなり紀久のそれをわしづかみにした。太樹はあっさりとそこを譲って、紀久のシャツのボタンをはずし、アンダーシャツをまくり上げ、白く固い胸の突起を刺激する。

 修也の手が、紀久の先端から茎をたどり、袋から後ろの穴へと、なめらかに往復を始める。健康的な男の子らしい、意外にもずっしりと大きめの袋。修也は、汁気の多い新鮮な果実を連想して、触り心地を楽しんだ。紀久は、割って入った修也に、ちょっとムッとした。せっかく太樹がいじってくれていたのに中断され たからだ。しかし、その憤りはすぐに、初めて味わう潤滑液の快感に取って代わられた。もっと激しくしごかれていたら、たちまち噴き出していただろう。亀の口はすでにヒクつきだしていたが、修也はじらすようにゆっくりと長い距離、手を上下させてやわやわと紀久をもてあそぶ。紀久のせつなげな表情に太樹も興奮した。
 いっそ、いかせてくれれば、と紀久が思い始めたころ、修也は潤滑剤を注ぎ足し、後ろのツボミを丹念にほぐしはじめた。ほころんできたころを見計らい、そっと指を中に入れ、出し入れする。動きが次第に大きくなり、紀久は軽い痛みを感じて、腰をもぞもぞと動かした。

 「アッ」。紀久は小さく声を上げ、目をつむった。幸運にもというか何というか、偶然、修也の指がツボを刺激したのだ。未知の感覚が紀久の体を走り、涙があふれた。修也の指がうまくそこに当たるよう、腰を突き出し、身をよじって、自ら貪欲に快感を求める。紀久の変化を、太樹は驚いて眺めている。
 ところが修也は、すっと指を抜いてしまい、立ち上がってどこかに行ってしまった。自分から求めた途端にお預けを食った紀久は、物足りないような、馬鹿にされたような気がしたまま、目を閉じてじっとしていた。もっと入れてくださいと頼むのは、王子さまっぽいところのある紀久には、はしたなくて絶対にできな いことだった。

 「タイキ、そのまま床に下りて」。修也の声が戻ってきた。太樹は紀久の体を腰で押し出すようにして、一緒にソファから床に下りる。紀久が薄目を開けて見ると、修也は上の服も脱いで素っ裸になり、一物にはゴムをはめている。潤滑剤でべとべとだ。紀久は、修也がしようとしていることが怖くもあり、待ち遠しく もあった。全身が、さっき初めて知った快感を覚えていて、求めている。


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