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Not melody from you
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Not melody from you
:Side-heavy
-4

前を向けなくても、自分を傷つけても、寄り添って手を繋いで抱きしめて、抱きしめて、そして混じり合って一つになって生き続けよう、いつか、ぼくらは一つになろう。
ぼくが一つになる部分が君の汚い部分でも、なんだって構わない。
そうする事で君の中の冷たくなったものが、ほんの少しぐらい、温度を取り戻してくれるかもしれない。
ぼくは抱きしめる力を弱めなかった。
彼女も泣く事をやめなかった。
そうしている間に、カーテンの向こう側では空が白み始めた。
朝はどんな時でも等しく同じ時間にやって来る、残酷な程に。
変わってしまった彼女を残して世界はそれでも不変だった。
その繰り返しの中で彼女の母親は死んだのだ。
でもそれなら、とぼくは思った。
それなら、その繰り返しの中で彼女が幸せになる事だってあるはずじゃないか。
悲しみが癒えて、いつかまたちゃんと笑える日だってきっと来るはずじゃないか。
だけどもし。
もし、そんな未来が彼女に用意されていないならば。
ぼくはお前を許さない。
絶対に、絶対に許さない。
彼女を抱きしめながら、ぼくは傷だらけの顔で白み始めた空を睨みつけた。
一緒の部屋にいて、コーヒーを淹れて、手を握って、無理矢理に抱きしめて、彼女の明日を睨みつける。
今のぼくにはそれしかできなかった。
他には何も、できなかった。
明日がまた少し近づいてくる。
彼女の母親を殺し、彼女に死を植え付けた未来が、笑顔でぼくらを迎え入れた。


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